大望[語句情報] »
大望
「大望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大望の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
れた。この木部がたびたび葉子の家を訪れるようになった。その感傷的な、同時にどこか
大望《たいもう》に燃え立ったようなこの青年の活気は、家じゅうの人々の心を捕えない....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
まった。まだそればかりでない。かれは関白殿をそそのかして、采女に召さりょうという
大望を起こしたという。勿論、左大臣殿にさえぎられて、いったんは沙汰やみになったと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の絵馬を大事にしているとかいうのを種に、丸多を嚇かして何千両をゆすり取ろうという
大望をおこして、その手先に万次郎を使うことになりました」 「万次郎は大津屋の娘と....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
を与えたものである。 ラプラスと同時代に英国にはハーシェルが活動していた。彼は
大望遠鏡で星雲を研究した結果としてこれらの星雲は一種の進化の道程にあるものだとい....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
ている。二百畳敷もあろうかと思われる円形の土間の中央には、奇怪なプリズム形をした
大望遠鏡が斜に天の一角を睨んでいる。傍らのハンドルを廻すとカラカラと音がして、球....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、その身代を手に入れたいからで、もう一と息というところまで漕ぎ付けながら、その
大望を水の泡にして、年上の女と駈け落ちなどをする気はありません。しかしお大の方で....
「火星兵団」より 著者:海野十三
でいったにしろ、一週間や二週間はかかるであろう。そういうわけなら蟻田博士の自慢の
大望遠鏡で宇宙をさがしていると、きっとその火星のボートといわれるものが、見つかる....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
その支度をしておくことはかしこいことです。あたしは、あなたがたのために、そういう
大望をいだいています。けれど、ただ世間へおし出し、金持と結婚させたいのではありま....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の蝙蝠傘あるいは杖にしあるいは日を除け、道々も道中の気遣いを故郷の恋しさと未来の
大望とか悲しみ悦び憂いをかわるがわる胸中に往来したれば、山川の景色も目にはとまら....
「軽女」より 著者:上村松園
に下る決意をし、お軽を生家へ帰した。 内蔵助は、最愛のお軽にといえども、自分の
大望を露ほども洩らさなかった。しかし、お軽には、内蔵助の深い胸は察しがついていた....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
行いたんで。」 「待ちねえ、おい、お前感心だな、ははあ解ったい、そうするとお前は
大望のある身体だ、その敵討をしようという。」 「そうですよ。」と真顔でいった。 ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
は早くも彼を十代目団十郎の候補者として推すようにもなった。かれ自身に果たしてその
大望があったかどうだか知らないが、その後の彼の舞台ぶりは一段の緊張を示して、役々....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
情が纏綿して、三方四方が塞がったから仕方がなしに文学に趨ったので、初一念の国士の
大望は決して衰えたのでも鈍ったのでもなかった。語学校に教授を執った時もタダの語学....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
とはありませんでした。 その頃私は、天光教を理想的な立派な宗教にしたい、という
大望を有っていましたし、新生寺さんもまた、現在の空虚な教に飽きたらないで、宗教の....
「心霊の抱く金塊」より 著者:大倉燁子
りゃ武田信玄の掘りッかす、つまり屑なんだ。屑だッて大したものなんだが――、当時、
大望を懐いていた彼が密に準備をしておいた軍用金、――即ちその金塊は、人に知れない....