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「大束〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大束の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
でもありゃしない」 お島は借金の言訳に、ぺこぺこしている男を見ると、そういって大束《おおたば》を極込《きめこ》んだ。 病気の間もそうであったが、養父が湯治に....
船医の立場」より 著者:菊池寛
も病犬か何かのように険しい、憔悴《しょうすい》した顔をしていた。 二人は、頭を大束の野郎に結っていた。一人は五尺一、二寸の小男だった。顔中に薄い痘痕《あばた》....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
は、みんなあっしが持とうじゃござんせんか」 「天から降った小判だと思って、いやに大束を決めだしたね。では、そろそろ出かけようか」 いうと、欣舞《きんぶ》足の踏....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
みようと四辺《あたり》を見まわすと、三十格好の女房が真っ赤な手をしながら井戸端で大束《おおたば》の冬菜《ふゆな》を洗っていて、そのそばに七つ八つの男の児が立って....
仇討三態」より 著者:菊池寛
。 杣夫が伐ってあった生木を、彼は両手に抱えきれぬほどの束にした。二十貫に近い大束を軽々と担ぎ上げた。勾配のかなり激しい坂を、駆けるように下って来た。二十間ば....
婦系図」より 著者:泉鏡花
へ出た。 「ここが可いや、先生。」 「何だ、青切符か。」 「知れた事だね、」 「大束を言うな、駈落の身分じゃないか。幾干だっけ。」 と横へ反身に衣兜を探ると、....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
くしていやがるだろう。じゃ、駕籠だよ。いってきな」 「ちゃんともう二丁――」 「大束決めたな。じゃ、急いで乗りな」 風を切ってその左門町へ――行きついたとき、....
縮図」より 著者:徳田秋声
が送れるので、うかうかと昼の時間を暮らすこともあり、あまり収入のよくない朋輩に、大束に小遣いをやってみたり、少し気分がわるいと見ると、座敷を勝手に断わらせもした....
郊外」より 著者:国木田独歩
何だびっくりしたじゃアないかと怒鳴ってやッた。渠一向平気で、背負っていた枯れ木の大束をそこへ卸して、旦那は絵の先生かときくから先生じゃアないまだ生徒なんだという....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
六歳の武士が、抜き身をダラリと引っ下げた姿で、こっちを見ながら立っていたが、髪は大束の総髪であった。 と、その武士は落ち着き払った態度で、ゆるゆると茅野雄へ近....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
掛けていた。そこから遠くないところに、囚人の弁護士である、仮髪を著けた一紳士が、大束の書類を前にしていたし、また、ほとんど向い合ったところに、今一人の仮髪を著け....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
って見た。 三十五六の浪人らしい武士が、微笑を含んで立っていた。 髪を総髪の大束に結び、素足に草履を穿いている。夕陽の色に照らされていながら、なお蒼白く感じ....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
そがれた敵討というので同門から金を集めてくれたので、大分|懐中は温かいのだから、大束を極めて好きな酒が呑めるのであった。 隣りの腰掛で最前から、一人でちびりち....
おせん」より 著者:邦枝完二
。おめえ、いい腕ンなったの」 「ふふふ」 「笑いごっちゃねえぜ。二十五|両たァ、大束に儲けたじゃねえか」 「どこで、そいつを聞いた」 「壁に耳ありよ。さっき、通....
審判」より 著者:カフカフランツ
そして、契約書だけではなく、きっとほかのものもたくさん入れているにちがいない大束の書類を持って、また自分の部屋にもどっていった。 「今のところはあいつは手に....