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「大正琴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大正琴の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
わが町」より 著者:織田作之助
上り湯ぬるおまっせ」 羅宇しかえ屋のお内儀の声がし、暫らくすると、季節はずれの大正琴の音がきこえて来た。曲は数え歌の「一つとや」 朝日軒の義枝は去年なくなり....
浮動する地価」より 著者:黒島伝治
、風が吹いても、休み日でも。 藁草履を不用にする地下足袋や、流行のパラソルや、大正琴や、水あげポンプを町から積んで。そして村からは、高等小学を出たばかりの、少....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
かけたのを食べたせいか躯中に虫がわいたようになる。朝っぱらから、何処《どこ》かで大正琴を無茶苦茶にかきならしている。 肺が歌うなぞと云う、たわけた詩が金になる....
文学的自叙伝」より 著者:林芙美子
りになると、私はまた食べられないので、その頃は、神田のカフェーに勤めていました。大正琴のあるようなカフェーなので、そんなに収入はありませんでした。「二人」は金が....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
義録をひもとくのだったが、私の想いはすぐ講義録を遠くはなれて、どこかで聞えている大正琴に誘われながら、灯の空にあこがれ、さまようのでした。 間もなく私は瀬戸物....
神楽坂」より 著者:矢田津世子
見世にはお初の欲しいものが沢山ある。絵草紙屋の前にしゃがんで動かないこともある。大正琴にきき惚れている人だかりへまぎれこんで、おっ母さんを見失ったこともある。「....
樹氷」より 著者:三好十郎
ら、ゆっくり砂利を踏んで歩き出す。――駅前の茶店の店先あたりで、誰かが弾いている大正琴の「男三郎の歌」の曲が、ちぎれちぎれに近くなる。 そこへ下り列車の音が近づ....
わが町」より 著者:織田作之助
はもう町角から消えていて、犬の鳴声が夕闇のなかにきこえた。どこからか季節はずれの大正琴の音だ。 十年が経った。 君枝は二十歳、女の器量は子供の時には判らぬも....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
て、「高級観音灸効果試験所」の白い手術着の所員がここをせんどのいいたてをしても、大正琴屋のスポオツ刈の店員がわれとわが弾く「六段」に聞き惚れても、ブリキ細工の玩....