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大毒
「大毒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大毒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
う》なさに飽き果て情願《どうぞ》道中でコロリと参って再び生きて還らぬようと、餅に
大毒を入れそれと勘付かれぬよう夥しく香料と砂糖を和して渡したやつだが、今象がファ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
アフリカの戸端口にすぎない。きのう見た、藪地のおそろしい棘草、その密生の間を縫う
大毒蜘蛛――。しかし今日は、いよいよ草は巨きく樹間はせまり、奥熱地の相が一歩ごと....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
も共に得んとして、我輩の昼寝の折に、油断を見すまし忍び寄り、わが耳に注ぎ入れたる
大毒薬、というわけなんですがね、念がいってるでしょう? やよ、ハムレット、汝孝行....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
て、往生昇天したとある。竜気を稟《う》けて生まれてだにこんなだ。いわんや竜自身の
大毒遥かに人蟒や蟒卵に駕するをやで、例せば、難陀《なんだ》※波難陀《うばなんだ》....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
なっている。その薬の名は万歳丹と称していたが、万歳どころか、実は人の命をちぢめる
大毒薬で、何かの復讐などを企てるものは、大金を与えてその秘薬を買った。現に或る家....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を加うる力ある蝮また蟒蛇等でその余平凡な蛇が後者だ。ヴァイパーとは上顎骨甚だ短く
大毒牙を戴いたまま動かし得る蛇どもで、和漢の蝮もこれに属するからまず蝮と訳するほ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
》』三巻二十五章にいわく、プリニウスとガレヌスは痛く馬肉を貶《けな》しまた馬血を
大毒と言ったが、韃靼人他に勝れて馬肉を食い、馬血をも飲むでないか、それは北方寒地....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
執して他を排すべきにあらず。たとえば欧州やインドの人は蟾蜍(ヒキガエル)を醜かつ
大毒なる物として酷《ひど》く嫌う。しかるに吾輩を始め日本人中にこれを愛する者少な....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
――きみ、――きみ―― 「うっかり声を出して呼んだんだよ、つい。……毒虫だ、
大毒だ。きみ、哺えてはいけないと。あの毒は大変です、その卵のくッついた野菜を食べ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
し、顔を上げる。 「その花の影、水岸に、白鷺が一羽居て、それが、斑※――人を殺す
大毒虫――みちおしえ、というんですがね、引啣えて、この森の空へ飛んだんです。 ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
れ深切で言いますが、気を着けなされ。む、気を着けなさい、女では失策るよ。若い時の
大毒は、女と酒じゃ。お酒はあがりそうにも見えぬけれど、女には、それ、可愛がられそ....
「「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
であろうか、わたしがそこに感じたのは寂寞である。 この寂寞は一日々々と長大して
大毒蛇のように遂にわたしの霊魂に絡みついた。 そうして自ら取止めのない悲哀を持....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
いらッしゃるのがいけないのです。それに五分でも十分でもオナラを我慢するというのは
大毒ですよ。今日からはもう我慢はよして下さい」 「それがな、どういうものか、ちか....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
に申しますには、もう一度こんなような驚愕を――神経と心臓とをひどく刺戟する病気に
大毒な驚愕を最近に経験するとなると、生命のほども受け合われないなどと――あるいは....
「泣きんぼうの話」より 著者:小川未明
ました。 「いい子だから泣くでない。そんなに泣くと、血がみんな頭に上ってしまって
大毒だ。みなさんが、あれ、あんなに見て笑っていなさる……さあ、もう、いい子だから....