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大汗
「大汗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大汗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間灰」より 著者:海野十三
た。そのとき、ちょっと気がついたのは、たいへん冷い雨が顔に振りかかったことだが、
大汗かいているときなので気持ちがよかった。この雨はまもなく熄んだ。それからは岸と....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
を潰し、これを脛で固め一歩一歩泳ぐようにして登らねばならなかったので二人とも全く
大汗をかいてしまった。第六峰は雪ばかりの広い尾根で、ブラブラと登ることができたが....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
息しそうでしたよ。生きてここへ戻って来られたのは何んという奇蹟!」 探偵猫々は
大汗をかいて怪話を語る。 「結構な話じゃありませんか」 と苅谷氏が目を細くした....
「火星探険」より 著者:海野十三
ぶりである。笑声と歎声が入りまじってその賑《にぎや》かさったらない。張もネッドも
大汗をかいている。山木も河合も共にのぼせあがって顔が金時のようにまっ赤だ。 そ....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
いったような見得を切って来たものらしい。どっちにしても私は雲を掴むような仕事に、
大汗をかかねばならなくなったのである。 私が当惑しきっているのにはお構いなしに....
「怪塔王」より 著者:海野十三
に書きつけた長短の符号をみながら、煙突に風呂敷をかぶせて、煙をとめたり出したり、
大汗になってつづけました。その文句が、一彦が怪塔から逃げだして、ここにいるから助....
「豆潜水艇の行方」より 著者:海野十三
。やるんだといったら、やるんだ」 トニーがしかりとばすので、みんなも仕方なく、
大汗を出して、くさりを豆潜水艇にぐるぐるとまきつけました。 「おーい、まだかい」....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
。又|打死はしたが、相国寺の戦に敵の総帥の山名宗全を脅かして、老体の大入道をして
大汗をかいて悪戦させたのは安富喜四郎であった。それほど名の通った安富の家の元家が....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
詰め切ってもらったそうで。肥満女の女中などは、失礼|無躾構っちゃいられん。膚脱の
大汗を掻いて冬瓜の膝で乗上っても、その胸の悪玉に突離されて、素転ころりと倒れる。....
「物のいわれ」より 著者:楠山正雄
けるわ、千|里のやぶもほんとうに一ッ飛びで飛んで行ってしまいますと、さすがに体中
大汗になっていました。するとそれよりも先に狐は、ひょいと虎の背中から、飛び降りて....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
情などは、オックウだ。援軍などは、よけいなことだ。 「小僧め。ひどい苦労をして、
大汗かいているじゃないか。、無理なことをしたがる小僧だ」 道三は苦笑したが、さ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
こういうことができるのは、政宗と秀頼がいるだけだ」大きなことを云ってごまかそうと
大汗たらしたが、全然ダメだ。当時(一六一六年)はすでに大坂城落城、とっくに秀頼は....
「米」より 著者:犬田卯
へと上げられる泥土を一人で掻くのは容易のことでなかった。勝は一時間もしないうちに
大汗になってしまった。 「あ、メソん畜生――こら、こん畜生。」 淡緑色の小鰻が....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、お礼はするからと、私も困ってね。 頼むようにしたけれど、ここまで参ったのさえ
大汗なんで、とても坂を上って四ツ谷くんだりまでこの雪に行かれるもんじゃあない。 ....
「死児を産む」より 著者:葛西善蔵
ってきては、袴の膝も崩さず居催促を続けているという光景である。アスピリンを飲み、
大汗を絞って、ようよう四時過ぎごろに蒲団を出て、それから書けても書けなくても、自....