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大津絵
「大津絵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大津絵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
語り暮した。時節柄で亀戸の藤の噂が出た。藤の花から藤娘の話をよび出して、それから
大津絵の話に転じて、更に鷹匠のはなしに移る。その話を順々に運んでいては長くなるか....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
るいは各種の器具へ嵌込まれたものが多いのであります、その絵としての価値も、丁度|
大津絵とか泥絵とかいうものの如く、即ちゲテモノとしての面白味であって、偶然、非常....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
かレアリズムの方がうまく行かないとみえて何かせんべいの如く平坦にしてややもすると
大津絵とばけてしまうこともある。 (「みづゑ」昭和五年九月) 暑中閑談 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
づつをうちならべ、羅紗《らしゃ》しょうじょう緋《ひ》のつっぽ襦袢《じゅばん》……
大津絵もどきを唸《うな》るのがあるかと思えば、木魚をポクポクやり出して、 そも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました」 「よろしい人相してまんな」 「こっちを見給え、ずっと新しく、これがそれ
大津絵の初版物なんだ」 「
大津絵どすか」 「
大津絵といえば、藤娘、ひょうたん鯰《....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
し、諸県に先だちて民衆の迷夢を破らんとはなしぬ。当時母上の戯《たわむ》れに物せし
大津絵《おおつえ》ぶしあり。 すめらみの、おためとて、備前《びぜん》岡山を始め....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
年をとりましたな、そうしてションボリと文机のまえに坐っているところなんざ、まさに
大津絵《おおつえ》の鬼の念仏。……いつまでもじゃじゃばっていられずと、はやくお役....
「回想録」より 著者:高村光太郎
が、其処で影絵を始めて評判になり、随分人が集まるようになった。祖父は声が自慢で、
大津絵などうまく、影絵をやりながら唄ったりして、そういうことをやるのが楽しみのよ....
「美術学校時代」より 著者:高村光太郎
僕の母なども長唄から笛などもやった人であるが、きつく禁じられていた。祖父はまた
大津絵などをとても上手く唄っていたのを覚えている。僕はだからいまだに君ヶ代も満足....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
《オランダ》甚句の得わかぬ文句、テリガラフや築地の居留地や川蒸気などそんな時代の
大津絵や。 それから子供がいやいや三味線を引っかかえてお稽古をする、あれなんぞ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
、高座へ上がるとどうしてまだなかなかに達者なものだった。一段と渋くなった声音が、
大津絵やとっちりとんや甚句に昔ながらの定連を喜ばした、しかもそうした定連たちは枯....
「随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
《オランダ》甚句の得わかぬ文句。テリガラフや築地の居留地や川蒸気などそんな時代の
大津絵や。 それからこどもがいやいや三味線を引っかかえてお稽古をする、あれなん....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
鳴らせなくて、ほんとうの吹き込みの時は下座の老女が弾いてくれ、私はその絃で新内や
大津絵を歌った。こうした私のありのすさびの悲しき戯れも、しょせんは例の宝塚の歌姫....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
だろう。椿岳は芳崖や雅邦と争うほどな巨腕ではなかったが、世間を茶にして描き擲った
大津絵風の得意の泥画は「俺の画は死ねば値が出る」と生前豪語していた通りに十四、五....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
りいだ》し得るまでには幾多の階梯《かいてい》を経たりしなり。浮世絵木板摺の技術は
大津絵《おおつえ》の板刻に始まり、菱川師宣《ひしかわもろのぶ》の板画|及《および....