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「大火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
凩《こがらし》の烈《はげ》しい午後にこの温泉町を五十|戸《こ》ばかり焼いた地方的大火のあった時のことです。半之丞はちょうど一里ばかり離れた「か」の字村のある家へ....
」より 著者:芥川竜之介
のは神明《しんめい》の加護だと信じている。 時事新報。十三日(九月)名古屋市の大火は焼死者十余名に及んだが、横関《よこぜき》名古屋市長なども愛児を失おうとした....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
盛上るような座蒲団《ざぶとん》の上に、はったんの褞袍《どてら》を着こんだ場主が、大火鉢《おおひばち》に手をかざして安座《あぐら》をかいていた。仁右衛門の姿を見る....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
柳町の百二十余日、予はついに満足を感ずることができなかった。 八月二十五日夜の大火は、函館における背自然の悪徳を残らず焼き払った天の火である。予は新たに建てら....
雛がたり」より 著者:泉鏡花
も、今私は、雛らしいものを殆ど持たぬ。母が大事にしたのは、母がなくなって後、町に大火があって皆焼けたのである。一度持出したとも聞くが、混雑に紛れて行方を知らない....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れ、地底の火を封じていた山嶽は破れ、火焔はこの戦場を包囲するであろう。この世界的大火災の跡から、新しく、より善く、麗しい緑で覆われた地が出現するであろう。ただミ....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
に着座に及ぶと、すぐに台十能へ火を入れて女中さんが上がって来て、惜し気もなく銅の大火鉢へ打ちまけたが、またおびただしい。青い火さきが、堅炭を搦んで、真赤に※って....
朱日記」より 著者:泉鏡花
顔をして、 (先生、姉さんが。) と云う。――姉さんが来て、今日は火が燃える、大火事があって危ないから、早仕舞にしてお帰りなさい。先生にそうお願いして、と言い....
古狢」より 著者:泉鏡花
夜番は駆けつけますわ、人は騒ぐ。気の毒さも、面目なさも通越して、ひけめのあるのは大火傷の顔のお化でしょう。 もう身も世も断念めて、すぐに死場所の、……鉄道線路....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
だ疾え、と鬼と組んだ横倒れ、転廻って揉消して、生命に別条はなかった。が、その時の大火傷、享年六十有七歳にして、生まれもつかぬ不具もの――渾名を、てんぼう蟹の宰八....
露肆」より 著者:泉鏡花
石油が待てしばしもなく、※と燃え移るから起るのであります。御覧なさいまし、大阪の大火、青森の大火、御承知でありましょう、失火の原因は、皆この洋燈の墜落から転動(....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
居ないの。」 一層袖口を引いて襟冷く、少しこごみ腰に障子の小間から覗くと、鉄の大火鉢ばかり、誰も見えぬ。 「まあ。」 式台わきの横口にこう、ひょこりと出るな....
歯車」より 著者:芥川竜之介
も佇んでいた。彼等は僕の顔を見ると、僕の前に歩み寄り、口々に僕へ話しかけた。 「大火事でしたわね」 「僕もやっと逃げて来たの」 僕はこの年をとった女に何か見覚....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
儀をして、 「では、ご見物を。」 「心得た。」 見ますとね、下の店前に、八角の大火鉢を、ぐるりと人間の巌のごとく取巻いて、大髻の相撲連中九人ばかり、峰を聳て、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
のことであった。 打傾いたり、首垂れたり、溜息をしたり、咳いたり、堅炭を埋けた大火鉢に崩折れて凭れたり、そうかと思うと欠伸をする、老若の患者、薬取がひしと詰懸....