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「大甘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大甘の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
泣くことの快感だけを存分に味わうための最も便利な方法がすなわち芝居、特にいわゆる大甘物の通俗劇を見物することである。劇中の人物に自己を投射しあるいは主人公を自分....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
いさ。大河から土左衛門の女でも引張りあげて、抱いて寝てるがいいさ。意気地なしの、大甘野郎の、女たらしの……」 お千はまた興奮して、地団太を踏み、往来の砂埃をし....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
どんないいものでもいらないのだわ。いるでしょう? いる筈だわ、なんて気を揉むのは大甘ね。そして、それが全く必要のところに手がまわりかねる気分に乱されるなんて、何....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
。 「館林様なんかいいかげんなものさ」不意に声高に云う者があった。「甘いお方さ、大甘者さ!」 館林様は足を止めた。すぐに我輩は館林様へ云った。 「あなた様のお....
健康三題」より 著者:岡本かの子
らの手紙ありがとう。蜜月の旅のやさしい夫にいたわられながら霧の高原地で暮すなんて大甘の通俗小説そのままじゃないか。たいがい満足していい筈だよ。今更、私をなつかし....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
、チョッカイでも出せば溶けるような顔をして頬摺したり接吻したりした。猫めの方でも大甘垂れに甘垂れて舌を出してはベロベロと二葉亭の顔を舐めた。「接吻だけは止せとい....