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「大病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
の向うに、いやいや落着かない膝《ひざ》を据えた。襖《ふすま》一つ隔てた向うには、大病の母が横になっている。――そう云う意識がいつもよりも、一層この昔風な老人の相....
おしの」より 著者:芥川竜之介
ものでございます。実はわたくしの倅《せがれ》、新之丞《しんのじょう》と申すものが大病なのでございますが……」 女はちょいと云い澱《よど》んだ後《のち》、今度は....
或る女」より 著者:有島武郎
んでしまって、まるで命の取りやりでもしかねない談判のしかたですのよ。そのころ母は大病で臥《ふ》せっていましたの。なんとか母におっしゃってね、母に。わたし、忘れち....
外科室」より 著者:泉鏡花
驚く色なし。 「そのことは存じております。でもちっともかまいません」 「あんまり大病なんで、どうかしおったと思われる」 と伯爵は愁然たり。侯爵は、かたわらより....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
、皆そう言ったの。すぐ後で、姉さんが病みついたんでしょう。そして、その今のような大病になったんでしょう。 ですがね、つい二三日前、照吉さんが、誰にも言わない事....
薬草取」より 著者:泉鏡花
が、幼心で、自分じゃ一端親を思ったつもりで。 まだ両親ともあったんです。母親が大病で、暑さの取附にはもう医者が見放したので、どうかしてそれを復したい一心で、薬....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
」 そりゃこそと番頭。 「ええ。」 「もう、大したことはないんだけれど、一時は大病でね、内の病院に入っていたんです。東京で私が姉妹のようにした、さるお嬢さんの....
星女郎」より 著者:泉鏡花
やりました夜具の襟から手を出して、情なさそうに、銀の指環を視める処が、とんと早や大病人でな。 お不動様の御像の前へ、かんかん燈明を点じまして、その夜は一晩、私....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
に、門前の茶店へ休んで、土地の酒造の豪家に俳友があるのを訪ねようと、様子を聞けば大病だという。式台まで見舞うのもかえって人騒せ、主人に取次もしようなら、遠来の客....
三枚続」より 著者:泉鏡花
柱一本立直らないで、それだけの身上がまるで0。気ばかりあせっていなさる中に旦那が大病、その御遺言でさ、夏に我儘をさせ過ぎた。行末が案じられる、盆画なんぞ止にして....
式部小路」より 著者:泉鏡花
巻にかくれて、ひとえに輪廓の正しき雪かと見まがう、お夏の顔を熟と見ながら、この際大病人の予後でもいいきけらるるを、待つごとく、愛吉|呼吸を殺して、つい居ると、 ....
註文帳」より 著者:泉鏡花
、御気分がどうかでございますが、雪におあたりなすったのかも知れません。何だか、御大病の前ででもあるように、どこか御様子がお寂しくッて、それにしょんぼりしておいで....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
上から、百姓の土間へ転がされて……」 「少しお待ち! 恐縮はするがね、お母さんは大病だった――きみのお産をして亡くなったんだ――が、きみを他所へ遣ったお父さんや....
妖怪報告」より 著者:井上円了
と。予、なにごとの出来せしやと疑いながらただちに披封すれば、なんぞはからん、「父大病につき、ただちに帰宅せよ」と、親戚某より寄するところの電報なり。愕然、大いに....
迷信解」より 著者:井上円了
人に憑くというに同じく、精神病の一種である。されど、あえて精神病に限るにあらず、大病、重患にかかるときに、平素多少己に対して遺恨を有するものあれば、その霊魂が乗....