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「大的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いがなさすぎて、あいそがつきらあ。人形師の野郎がね――」 「眼的か」 「的も的も大的なんです。浅草の原丸も、呉服町の清谷も、最初の二軒はしくじったからね、心配し....
田舎教師」より 著者:田山花袋
なかった。自己の失恋の苦痛を包むためには、友の恋に対する同情の文句がおのずから誇大的にならざるを得なかった。――独りもだゆるの悲哀は美しきかな、君が思ひに泣かぬ....
近頃の話題」より 著者:宮本百合子
いうことは誰しも推察するにかたくないのである。 芸術院会員にはなれず、しかも事大的に鬱勃たる一団の壮年者によって「新日本文化の会」というのは結成されるのであろ....
バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
著しい古典趣味、宗教臭と近代科学との蕪雑なせり合い、現実的な観察が次第に架空的誇大的な類型へ昇天する奇怪な道ゆきが生じたのであったろうか。 サント・ブウヴのよ....
天馬」より 著者:金史良
彼等の後をぞろぞろとついて廻りながら、田中に先生先生とぺこぺこしていた朝鮮人の事大的な文学くずれ達のことに違いなかった。玄竜は警戒するように首をちぢかめた。 「....
女性の歴史の七十四年」より 著者:宮本百合子
治的に、すなわち客観的に現実的に社会現象を判断し対処してゆく能力は欠いていて、事大的な追随を政治的な態度と思いあやまって、結果としてはかえって、時局を漫画化する....
人民戦線への一歩」より 著者:宮本百合子
本政府は武力をもっていないという公の建前を無視して動けば、政府は、連合国勢力に誇大的訴えとして、人民に自治自制する能力なし、と実証し、反動に一歩前進しようと試み....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
ば、言論統制に於て大過ないというわけだ。 言論の道徳的統制、之が自主性のない事大的な日本民衆の自発的(!)統制だが、処が言論上特殊な社会的地位にあるもの、編集....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
るように、興行は一般接客業と同様に当局に対して阿諛的であり、支配社会に向かって事大的なものであるのが通り相場であるが、そこからこの種の職業組合がおのずから当局肝....
期待と切望」より 著者:宮本百合子
うと努力していると同じ努力が要求されている。今日文化の全面に亙って棲息している事大的な棒振り的理論を、作曲家たちも演奏者たちも、しっかりした音楽的教養、人間とし....
S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
人の特殊な残虐性というようなものではなく、むしろ、「長いものにまかれる」一種の事大的傾向があの悲劇をもたらしたものといえましよう。これはもう誰しも認めていること....
南国太平記」より 著者:直木三十五
、高禄を食《は》んだ奴は、こうした激変の時代に当って、只、失わんことを恐れて、事大的になる。だから、紙となり、軽薄ともなるが、今集まっている代物の如き、もうこれ....
戦争ジャーナリスト論」より 著者:戸坂潤
一体に対象に対して愛着に似た理由のない愛情を示すものらしい。だから之は必ずしも事大的であることを意味するのではないわけだが、批評としての掘開力も足りなければ公正....
一九三七年を送る日本」より 著者:戸坂潤
てもいい。そしてその一部になるらしい「新日本文化の会」の如きは、寧ろ最も著しい事大的アカデミーの意義を有っているだろう。 本年度に於ける文化上思想上の最も大き....
認識論としての文芸学」より 著者:戸坂潤
するT・リップス風の偏極や、美学を美術乃至美術史に固有な因縁あるものとする日本帝大的習慣を別とすれば(尤もこうした傾向はいずれもカントの「美」の観点――それは「....