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大盤
「大盤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大盤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、あの容貌の醜い若者でさえ、今となっては相手の背《せな》からさっき擡《もた》げた
大盤石《だいばんじゃく》を取りのける事が出来るかどうか、疑わしいのは勿論であった....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
何人《なんびと》もこの風来僧の言葉に、耳を傾ける者はなかった。 「三町をも超える
大盤石を掘貫こうという風狂人《ふうきょうじん》じゃ、はははは」と、嗤《わら》うも....
「八人みさきの話」より 著者:田中貢太郎
寄りかかった。新三郎は起って軽々と歩いた。 半丁ばかりも往くと、新三郎の背には
大盤石が乗ったようになって動けなくなった。新三郎は驚いて後を見た。背の上には恐ろ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
翁は自分で剛力の棒を取って、「散々にちょうちゃくす」の型の後でグッと落ち着いて、
大盤石のように腰を据えながら、「通れとこそ」と太々しくゆったりと云った型が記憶に....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
、油然と湧いて来た。 支那服は野良犬の塩焼きと、一升ほどの高粱酒を相宿の連中に
大盤振舞いして酔つぶれた翌朝から、ずっと姿を見せなかった。 「支那服と黒眼鏡は、....
「火薬船」より 著者:海野十三
なかなか悪智恵をはたらかす。 「ふん、それでよかろう。では、さっそく、雑草園で、
大盤ふるまいをはじめよう。お前、みなにそう伝えろ。船にのこっているやつも、できる....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
。一まず、カンナ島へひきあげて、それからにしては……」 「僕は、今宵ソ連兵たちが
大盤ぶるまいをうけたのは、おそらく明日、太平洋へ乗りだすための前祝だと思うのです....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
手であった。少女一人くらいと思って、提督はひっぱりあげにかかったが、どうしたのか
大盤石のように重い。 「うーん、これは重い。梨花どうしたのか。お前なにか腰にぶら....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
肩は紫に腫れて荷を負うことができない、チビ公は睡眠の不足と過度の労働のために頭が
大盤石のごとく重くなり動悸が高まり息苦しくなってきた。 豆腐を買う人は多くなっ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
き者、定見なき者又単なる好奇心で動く者は、禍なる哉である。真理を求むる者のみが、
大盤石の上に立って居る。 問『いかにして真理を掴むか。』 心の準備――真に求む....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
げて戻ってきて、旅館の台所へわりこんでチャンコ料理だの焼メシをつくって女中連にも
大盤ふるまい。 「わかるかい、サチ子さん、お前をつれて行けなかったわけが。つまり....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
萩村の博徒の親分、猪之松の家は賑わっていた。 馬大尽事井上嘉門様を、ご招待して
大盤振舞いをする――というので賑わっているのであった。 博徒とはいっても大親分....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
てから、ちょうど時刻もお八ツ時となったこと故(二時から三時の間)思い附きて蕎麦の
大盤振舞をすることにしたのでありました。物価の安い時、一分の蕎麦はなかなかある。....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
毛だも動ぜぬ人生の鑑識を備えます。これは大した修業の結果です。しかしながら、この
大盤石量の達観は持ち得なくとも、常にこの理を心に置いて人生の間違いない生き方をす....
「友情に関係あるエッセイ」より 著者:戸坂潤
。と同時に学位を授与する側を見ても、個人的慫慂や一定の積極方針の強調や、又時には
大盤振舞のような太っ肘や、学術政策的な決意やがなくてはならぬことと私は考える。い....