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「大眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
ら、 「夜分のことでございますから、なにとぞ旦那《だんな》様お慈悲でございます。大眼《おおめ》に御覧あそばして」 巡査は冷然として、 「規則に夜昼はない。寝ち....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ことは武家の家来が一種の役得にもなっていたので、よほど厳格な主人でない限りはまず大眼に見逃がしておく習いになっていた。殊に七蔵の主人の市之助はまだ若年であるので....
地中魔」より 著者:海野十三
三吉少年は訊ねた。 「それを作った技師が急死したからだ」と、ここで大辻老は得意の大眼玉をグリグリと動かした。「地下鉄では青くなっている。是非早く探してくれという....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
かかわらず……。 と、いうところが「死体駆る橇」とともに、「|冥路の国」探検の大眼目になっている。しかしこれは、暫く興味上保留することにして、では、そこを先占....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
にサイダーを飲んで干物をやいて火鉢をかこんで食った。 十二月三十日。小林は昨夜大眼鏡をわったので、みんなが飯を食う時分にもまだ床の中でしょげている。やっと坊城....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
かで止むべき、お通は転倒したるなり。 「そんなに解っているのなら、ちょっとの間、大眼に見ておくれ。」 と前後も忘れて身をあせるを、伝内いささかも手を弛めず、 ....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
仏子であって同時に国士であった。法の建てなおしと、国の建てなおしとが彼の使命の二大眼目であり、それは彼において切り離せないものであった。彼及び彼の弟子たちは皆そ....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
が起き上がる。 首は体へ繋がったのである。 「ハッハッハッハッ」 と紋太夫は大眼カッと見開いて役人どもを見廻したが、 「ご免|蒙る」 と一声叫ぶと、海へ向....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
にも勝る珍らしい近世の名人だ。利己主義とそして贅沢が疵と云えば、大いに疵であるが大眼に見られないこともない。……それに俺とはばかに懇意だ。抱き込まれてもいいじゃ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
いいね。講堂にかかげてある額も、葉隠にある言葉だよ。四誓願といって、それが葉隠の大眼目なんだ。武士道、忠孝、大慈悲、この四つを神仏に念じて、尺取虫のようにじりじ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
見よ、陣十郎は負傷の身ながら、刀を大上段に振り冠り、繃帯の足を前後に踏み開き、大眼カッと見開いて、上瞼へ瞳をなかば隠し、三白眼を如実に現わし、主水の眼をヒタと....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
政宗だから、生涯まちがった情報ばかり受けとっていたようなものだが、名手芭蕉先生の大眼力がどういう情報を提供して功をたてたのかね。たぶん田舎の小大名相手の小競合い....
ジャズ狂時代」より 著者:小野佐世男
・シンガーやバンドマンの連中はサイン攻めで街も歩けませんよ、驚きましたなァ――」大眼鏡の奥で眼をくるくる廻していたのである。 曲目は進んで五彩のスポットをあび....
明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
与えた感動は非常なもので、大多数は尽くヒプノタイズされてしまって、紅隈の団十郎が大眼玉を剥いたのでなければ承知出来ぬ連中までが「チンプンカンで面白くねェ、馬鹿に....
五重塔」より 著者:幸田露伴
この馬鹿め、と何の苦もなく釿もぎ取り捨てながら上からぬっと出す顔は、八方|睨みの大眼、一文字口怒り鼻、渦巻縮れの両鬢は不動を欺くばかりの相形。 やあ火の玉の親....