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「大礼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大礼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
手を懸《か》けて、 「どうだお香、あの縁女《えんじょ》は美しいの、さすがは一生の大礼だ。あのまた白と紅《あか》との三枚|襲《がさね》で、と羞《は》ずかしそうに坐....
親子」より 著者:有島武郎
見つからなかった。なげしにかかっている額といっては、黒住教の教主の遺訓の石版と、大礼服を着ていかめしく構えた父の写真の引き延ばしとがあるばかりだった。そしてあた....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
斑点は光度が薄かったので、肖像画の主人公の面影を見て取ることが出来た。金モールの大礼服をつけた額の高い、鼻が俊敏に秀でている禿齢の紳士であった。フランス髭を両顎....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
)にあっては伊那小野村の庄屋倉沢|義髄をはじめとする。ことに、義髄は一日も人身の大礼を仏門に委ねるの不可なるを唱え、中世以来宗門仏葬等のことを菩提寺任せにしてい....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
処もあった。 それにも一つ、ここへ来ると、あまりに女の人たちが美し過ぎるのと、大礼服を着用しているのと、それらが強い香気を放って、妙に私の心を騒がせるのがきま....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
の文化住宅から見ると全く以て平安なる日本的情景であった。 盆が来ると寺の住職が大礼服によって出張する。線香の煙と、すず虫と、近松と、お経と木魚の音が新秋の私を....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
なると物売りもまた変って来て、隊長の鳥売りなぞといって、金モールをつけた怪しげな大礼服を着て、一々|言立てをするのや、近年まであったカチカチ団子と言う小さい杵で....
小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
係にとりたてられたので、ひろ間のとびらのうしろにたつことをゆるされました。みんな大礼服のはれすがたで、いっせいに、陛下がえしゃくなさった灰いろのことりに目をむけ....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
てなかったのです。 ところが、その年の冬、詳しくいうと十一月の十日に御即位の御大礼が挙げられて、大阪の町々は夜ごと四ツ竹を持った踊りの群がくりだすという騒ぎ、....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
をして、文部書記官に昇進する。それは好いが、新官制によって定めたとおり、父も遽に大礼服というものを誂えて一着に及んだ。父には到底似合もせぬしろものである。御用商....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
うです。岡氏も岩佐氏も侍医で、御陪食に参内せられての出来事でした。そんなお席で、大礼服を召した患者とお医者たちと、どんなでしたろうと思います。 十日が岩佐氏の....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
のであろう、など私は話したことでありました。 その日憲法発布の式場へ参列のため大礼服をつけて官舎を出るところを玄関前で文部大臣の森有礼氏が刺客に刺されたのであ....
」より 著者:犬田卯
を捲き上げる計画は次から次へと実施されはじめた。村社の修復、屋根がえ、学校長への大礼服の寄贈(しかもこれは貧富に拘らず、校長氏が準訓以来教えた全部の卒業生各自へ....
日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
、久しき憶方に解けぬ。季秋薄冷、尊何如。想うに清愈ならん。此れは即ち常の如し。今大礼蘇因高、大礼乎那利等を遣わして、往いて謹白せしむ。不具」というのであり、我を....
五重塔」より 著者:幸田露伴
障なく、さて竜伏はその月の生気の方より右旋りに次第|据え行き五星を祭り、釿初めの大礼には鍛冶の道をば創められし天の目一箇の命、番匠の道|闢かれし手置帆負の命彦狭....