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大禁
「大禁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大禁の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
清逸はいきなり激しい咳に襲われだした。喀血《かっけつ》の習慣を得てから咳は彼には
大禁物だった。死の脅《おびやか》しがすぐ彼には感ぜられた。彼はほとんど衝動的にそ....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
讐禁止令が発布された。 布告は、次の通りの文章であった。 人ヲ殺スハ、国家ノ
大禁ニシテ、人ヲ殺ス者ヲ罰スルハ、政府ノ公権ニ候処、古来ヨリ父兄ノ為ニ、讐ヲ復ス....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
だ。肺をわずらっていた僕には、感冒はほとんど年じゅうのつきものであり、そしてまた
大禁物だった。が、ちょっとでも風邪をひくと、僕はすぐ寝床につくのを習慣としていた....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
ましたころも、いろいろな頼み事をしていろいろ物を持って来ますの。阿爺はそんな事は
大禁物ですから、できる事は頼まれなくてもできる、できない事は頼んでもできないと申....
「部屋」より 著者:宮本百合子
曲った縁側の前まで、誰にも見られず来た。百代が二階へ登ることなどそれこそうちでは
大禁物なのであった。七号、八号と、ややよい部の部屋が並んで小縁をひかえている。障....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
こんな深刻不可思議な事件を、一寸した証拠や、概念的な推理で判断するのは絶対危険の
大禁物である。すくなくともこの事件が、前記の通りの状態で勃発して後、如何なる径路....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
なさい、あなた。触っちゃ、いけません。脳の傷は恐しいのです。刺戟を与えることは、
大禁物ですわ」 そういって、アンは、仏の手をおさえて、彼の膝へ戻した。 「おい....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
来ている。博士の、静粛な白銀の林の中なる白鷺の貴婦人の臨月の観察に、ズトン! は
大禁物であるから、睨まれては事こわしだ。一旦破寺――西明寺はその一頃は無住であっ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
(フワフワ煮)にしてからでないと上ってはいけまいとのことです、じかに召上ったりは
大禁物よ。あれは調理する前二時間水につけておいてとくのですから。(うちでいつもや....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
「お前はどうして半人前の秀才にもなれないのだろう」 この言葉は孔乙己にとっては
大禁物で、たちまち不安に堪えられぬ憂鬱な状態を現わし、顔全体が灰色に覆われ、口か....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
友達が、そこへ私をはめ込んでくれたので、いよいよ移転することが出来たのです。あの
大禁物のヒンクマン氏が丘を登って来る前に、わたしはもう立ち去ります。その瞬間から....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
せんか」妻君「そうですとも」と大賛成。野蛮の世には何事にも秘伝多し。秘伝は文明の
大禁物。 ○本文の法にて煮たるものは最初|樺色《かばいろ》にて一日二日を過ぐ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
六という先生は、蛙を見ると立竦みになったとしてある。 「金時ここにおいてか幽霊が
大禁物。「綱もすなわち幽霊には恐れる。といわれて得右衛門大きに弱り、このまま帰ら....
「三国志」より 著者:吉川英治
に配属させた。 ときに、老黄忠は、玄徳の前に出てこう訴えた。 「抜駆けは軍法の
大禁。魏延はまさに公然それを犯したものです。ご処分を下し給わねば軍紀の紊れとなり....