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大立物
「大立物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大立物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
今では京都の大きい寺の住職になっていると聞きました。なにしろこの探索では小坊主が
大立物《おおだてもの》で、その口から本山派と反対派の捫著《もんちゃく》を聴いたの....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
な人物がこの汚い土窟をわざわざ覗きに来るなんて、全く意味がわからない。 「市議の
大立物たる動坂三郎が訊ねてくるなんて、変ですね」 「なに変でもないよ。こっちは『....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
多忙な生活中に、閑を割いて面会を遂げた政治界、貴族社会、学会、文学界、芸術界等の
大立物のみでも幾百千というを知らなかった。要するに彼は一切の心霊問題に関して、当....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
の唄は嬲殺しと按撫とを一つにしたようなものなのだ。 彼女はもちろん巴里の芸人の
大立物だ。しかし彼女の芸質がルンペン性を通じて人間を把握しているものだけに彼女の....
「怪しの者」より 著者:国枝史郎
の棟領とはいいながら、立派な藩の御用番匠であり、ことには西丸様の今度のお企ての、
大立物でありますので、その人の娘にもしものことがあったら、一大事だと思ったからで....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ったのではなく、同時に天神地祗あらゆる神々を各地に祀ったのであるが、伊勢と並んで
大立物と目されるものに大神神社、これが大国主を祀る総本山だ。石上神宮が又曲者で、....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
その心中に燃ゆる憤怒の影から彼は新しい敵手の力量を知った。そしてこれがこの事件の
大立物たる事を否定する事は出来なかった。 ドーブレクの糞度胸、警視庁の猛者を向....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
ようにつとめつつあったらしかった。 そうこうしているうちに氏は一躍して文学界の
大立物となってしまった。各種の雑誌は競うて君の作物を掲げ、その待遇も互に他におと....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
く、さすが昔は東洋文明の卸元たりし面影どこかに残りをり候―― 天晴東洋の舞台の
大立物を任ずる水滸伝的豪傑が寄って集って天下を論じ、提調先生|昂然として自ら蕭何....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
が、大海のはての蒼波かと怪しまれ、黒檜の上には白峰三山、赤石、悪沢等南アルプスの
大立物が遥に雪の姿を輝し、黒檜と鈴ヶ岳との間に朝与、駒、鋸の諸山が押し黙って控え....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
すか。お前さん方はぼやけた
迷の衣の、方々の隅を攫んで引いているのだ。
仮装会の
大立物の面被の富の神様。
この連中をこの場から追い出して下さらぬか。
富....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
なく時雨の空は晴れぬれどまた降るものは木の葉なりけり (〃) これは金葉時代の
大立物|源俊頼の歌ばかりであるが、『金葉』『詞花』に取られたのは大体この程度であ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
はどうしても僕も同種属ではないと思う。素盞男命からして併合政策として、日本神話の
大立物に祭り上げてしまったものらしいな。」 「そういう見方もありますね。」 「だ....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
まれたようになっている夫に、自分は東京にいたこともあると云って、松岡の父は政界の
大立物だの、表面にはたたないが隠れたる勢力家の一人だの、と、しきりに褒めそやすの....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
た。八ヶ岳と蓼科山との間に奥穂高、常念、大天井から鹿島槍、五竜に至る北アルプスの
大立物が、銀光|燦として遥かの空際を天馬の如く躍っている。籠ノ塔の後には岩菅山ら....