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大腸
「大腸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大腸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
げに鋭い犬歯《けんし》の見える人である。
僕は当時僕の弟の転地先の宿屋の二階に
大腸加答児《だいちょうかたる》を起して横になっていた。下痢《げり》は一週間たって....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
両方の山とも、鋸の歯のような岩壁を天外にうねらせて、胸部の深い裂け目から、岩石の
大腸を露出しているのが、すごくもあるが、この両方の大岳には、五、六月頃になると、....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
に二つの肺臓がはがれて、肝臓や胃袋などと一緒くたに濡板の上に掻き出された。そして
大腸をたぐって、その最後の部分に刃がはいると、見事に肛門から切断されて、一抱えほ....
「坑夫の子」より 著者:葉山嘉樹
の音は、それ丈けであった。 掘鑿の中は、雪の皮膚を蹴破って大地がその黒い、岩の
大腸を露出していた。その上を、悼むように、吹雪の色と和して、ダイナマイトの煙が去....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ックをつけて、私の下宿から遠くない四條通りを散歩して、思い切って横町の細い小路が
大腸の如くうねっている中を行ってみた。この散歩はとうとうその腸内の一角で炎症を起....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
―茫然として、銑吉は聞いていた―― 血は、とろとろと流れた、が、氷ったように、
大腸小腸、赤肝、碧胆、五臓は見る見る解き発かれ、続いて、首を切れと云う。その、し....
「帰京記」より 著者:豊島与志雄
の顔を見た。――一日二日と、家主さんの庭で野宿をしたので、四歳になる末の子が軽い
大腸カタルを起したらしい。そこで、妻はかねて懇意な小児科医の宇都野研氏のところへ....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
べてゆくらしい。結局、腸は全部切り開かれ、その上でソックリ両手でつまみだされた。
大腸というものは、文字どおりに大きく著しく目についた。 開かれた腹腔や胸腔は、....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
血に染んだ白い脂肪が、厚い層を現していた。そして、その分厚な脂肪の下から、灰色の
大腸が、ちらっと、見えていたが、一郎右衛門が、苦痛に、呼吸を大きくし、身体中に、....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
赤《まっか》な無実だったなどとなったら、あなたは腹切だ。その皺腹《しわばら》から
大腸《ひゃくひろ》をくり出すところなんざ、とんと見られたざまじゃあるまい。血につ....
「放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
かなかどうして、こいつがもてあましもんなのだ。酒の気がきれるときまって左っ腹が、
大腸とかいうところがしくりしくりといたみだす。で、その晩もアルコオルがきれたので....
「稀有の犯罪」より 著者:小酒井不木
ったのかしら」 こういって、仙波は何となくあわてた様子をして、十二指腸、小腸、
大腸、直腸を切り開き、次で、その内容を調べて見ましたがダイヤモンドは姿を見せませ....
「九月四日」より 著者:岡本綺堂
引いているように思われてならない。その死因は脳充血とか心臓破裂とか急性腎臓炎とか
大腸|加答児とかいうような、急性の病気が多かったらしい。それには罹災後のよんどこ....
「鰻の話」より 著者:北大路魯山人
っぽんの好物は、あさりやその他の小さな、やわらかな貝類である。一枚歯のすっぽんの
大腸をみると分るが、彼らは貝を好んで食うために腸内部が貝類で埋っている。だが、す....
「雨夜草紙」より 著者:田中貢太郎
も車道も区別なしに歩いていると、荷物自動車がやって来たさ、奴さんは腹部を引かれて
大腸が露出したが、それでも二日ばかり生きていたのだ、君は昨年の九月の新聞に、満伊....