大腹中[語句情報] »
大腹中
「大腹中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大腹中の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
「ナニ、鱗を? 何んのために?」 「ついでに云って聞かせてやろう。……大納言様は
大腹中、金銀を湯水にお使いなさる。由緒ある金の鯱の、鱗をさえもお剥がしになりお使....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
あいがある。一軒焼けで、近所に迷惑をかけねば、それが何より――」
と、さすがに
大腹中らしく言って、
「それよりも、これが震えている。早う、温かい着る物と、湯な....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
地、富の地、殷賑の地、海の向うの朝鮮、大明、琉球から南海の果まで手を伸ばしている
大腹中のしたたか者の蟠踞して、一種特別の出し風を吹出し、海風を吹入れている地、泣....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ていることだろう。 デモ倉や、プロ亀が、あっぱれな小刀細工をしようとも、そこは
大腹中の道庵先生のことだから、蚊の食ったほどにも思うまいが、宇治山田の米友という....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
誰が何と言ったって、どうにも手がつけられねえ」 「ですけれども、なかなか親切で、
大腹中《だいふくちゅう》で、そうして物わかりがよくて、どこといって……」 「それ....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
ったのさ」 「何の事だか解らないな」 「彼奴、殿下にもなれるはずだ。底の知れない
大腹中だ。で私は立ち退く意だ。そうだよ近畿地方をな」 「なんだ、馬鹿な、郷介程の....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
小説は野暮くさいでもありましょうし、また清い水も濁った水も併せて飲むというような
大腹中の人には、馬琴の小説はイヤに偏屈で、隅から隅まで尺度を当ててタチモノ庖丁で....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
減ずるものではない。が、有体にいうと沼南は度量海の如き大人格でも、清濁|併せ呑む
大腹中でもなかった。それよりはむしろ小悪微罪に触れるさえ忍び得られないで独りを潔....
「三国志」より 著者:吉川英治
仰っしゃっても」 「黙らぬかっ。――汝は今、名分のない戦といったが、誰か、孫堅の
大腹中を知らんや。おれにも、救世治民の大望はある。見よ、今に天下を縦横して、孫家....
「三国志」より 著者:吉川英治
えてきた宿老として、とかく幼稚に思われてならなかった孫権がいつのまにかかくの如き
大腹中の人となってきたことが、涙のこぼれるほど有難かったに違いない。 並居るほ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いて来るのであった。 「とんと、お胸はわからぬ」と、師直もつぶやいた。「が、あの
大腹中は、あとになってみると、いつも無策ではおざらなんだ。われらが取り越し苦労に....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
そこで、原料|叩解機に移される。その山と積んだ白紙の層が、また瞬く間に、その
大腹中に吸い込まれる、と、どろどろの綿状になり、繊維になり、液状のパルプになって....