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大腿
「大腿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大腿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
の危急を知って駆けつけた露軍の野砲隊が応戦の砲火を開いた。左の腕を切断され、右の
大腿《ふともも》を砕かれ、死人のごとく横たわっているイワノウィッチの上で、露独の....
「俘囚」より 著者:海野十三
が、腰から下がイヤに軽い。フワリと立つことが出来たが、それは胴だけの高さだった。
大腿部《だいたいぶ》から下が切断されている! 「な、なんという惨《むごた》らしい....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ようにブラさがっている片腕を、三角巾で首に吊って柿本は、木谷らと、屍室へ歩いた。
大腿骨が砕けた黒岩は動けなかった。院庭から見える市街は荒廃し切っていた。踏み折ら....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
ない」 母親の声は涙に曇った。 弥勒に俸給を取りに行った翌日あたりから、脚部
大腿部にかけておびただしく腫気が出た。足も今までの足とは思えぬほどに甲がふくれた....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
だけあげて置いたンでしたが。――ああそうでしたか、別に骨にも障らなかったですね、
大腿部――はあそうですか。とにかく若い者は結構ですな。お互いに年寄りはちょっと指....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
が砂を後足でかぶせてしまうと、もうすっかり食慾を唆る肉塊以外の何物でもなかった。
大腿部の関節に、短刀の刃が食い込んで、骨と刃物の音が軋むと、ぼろりと訳もなく肢が....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
中へぼうぼうと音を立てて燃え上っていた。七面鳥、鵞鳥、猟禽、家禽、野猪肉、獣肉の
大腿、仔豚、腸詰の長い巻物、刻肉饅頭、|李入り菓子、牡蠣の樽、赤く焼けている胡桃....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
の「巴里」はいま聖ミシェルの鋪道に流れている。 2 巴里! ちらと
大腿を見せて片眼をつぶっている巴里! Ah, qu'il est beau, m....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
十三に張り抜いていましたが、ふと気がつくと、何かしら異状に冷たい固いものがかれの
大腿を横から押しているのです。何だろう?――「23」は下を覗きました。御存じの通....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
丈がのび、ジャンパースカートをはいている腰のあたりがふくよかであった。そうして、
大腿まで出していた短いスカートがうんとのばされ、膝のあたりに妙に静かにゆれていた....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
語を比喩的に用いたのである。 六二 海賊旗。――黒地に白く頭蓋骨と二つの交叉した
大腿骨とを染め抜いた海賊の旗。 六三 半潮。――満潮と干潮との中間。 六四 パル....
「浅間山麓より」より 著者:寺田寅彦
あろう。 こんなことをいいながら星野の宿へ帰って寝た。ところがその翌日は両方の
大腿の筋肉が痛んで階段の上下が困難であった。昨日鬼押出の岩堆に登った時に出来た疲....
「氷河」より 著者:黒島伝治
流しこんでいた。皆と年は同じに違いないが、十八歳位に見える男だ。その男はいつも、
大腿骨を弾丸にうちぬかれた者よりも、むしろ、ひどく堪え難そうな顔をしていた。 ....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
めた血みどろの身体は、コチコチに硬直していて、体温は既に去っていた。法水は屍体の
大腿部を見詰めていた眼を返して、血に染んだ右掌を拭き、そこに何やら探している様子....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
の頭の中を、電光のように掠めて行った。私は直ぐにメスを持直した。そして私は彼女の
大腿部から、頸部の傷穴を埋めるための一塊の肉を、素早くずばりと切取った。彼女は再....