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大荒れ
「大荒れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大荒れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
。人がよすぎてむかむかすらあ」 悲憤やるかたなかったとみえて、伝六の空もようは
大荒れです。 「やい! 何がおもしれえんだ。ぽかんと口をあけて見てたって、一文に....
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
け》り狂って吹きこむ烈風は、ほとんど私たちを床から吹き上げんばかりであった。実に
大荒れの、しかし厳かにも美しい夜、また、そのもの凄《すご》さと美しさとではたとえ....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
焼津へ行かれる物なら喜ぶと申していました。 ヘルンが日本に参ります途中どこかで
大荒れで、甲板の物は皆洗いさらわれてしまう程のさわぎで、水夫なども酔ってしまった....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
いうこともないから、あまり心配はない。天候は春より変りやすいが、ウェーブが小さく
大荒れがないので山へ登れない日は殆んどない。気温はこの山行で十一月三十日夜常念の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
た。翌朝になって見ると、風は静まったが、天気は容易に回復しなかった。思いのほかの
大荒れで、奥筋の道や橋は損じ、福島の毛付け(馬市)も日延べになったとの通知がある....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
へ走り寄るのは隣家伏見屋の年寄役伊之助だ。田畑のことは確かにもわからないが、この
大荒れでは稲穂もよほど痛んだのではないかと言って、彼のそばに来てその心配を始める....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ろう。」と半蔵がそれをきいて見る。 「さようでございます。先月の二十三日あたりは
大荒れでございまして、中津川じゃ大橋も流れました。一時は往還橋止めの騒ぎで、坂下....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
たどった木曾街道の五月は、この騒ぎのうわさがややしずまって、さながら中央の舞台は
大荒れに荒れた風雨のあとのようだと言わるるころである。 四 「塩、....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
になろうとしました。すると途中で、そこの海の神がふいに大波を巻きあげて、海一面を
大荒れに荒れさせました。命の船はたちまちくるくるまわり流されて、それこそ進むこと....
「メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
着いて間もなく疾風が吹き起って、帰ることなどは思いもよらないくらいに海峡がひどく
大荒れになったために、一週間近くも漁場に留まっていなければならなくて、餓死しよう....
「一九四六年の文壇」より 著者:宮本百合子
生子であるということを知ってたいへん苦しみ、うちへかえって嫌だ嫌だと気狂のように
大荒れに荒れる、その絶望の心を書いている。そのきっかけは花村という少年が「君一中....
「田原藤太」より 著者:楠山正雄
ました。龍王も家来たちも、頭を抱えて床の上につっ伏してしまいました。 さんざん
大荒れに荒れた後で、ふいとまた雷がやんで、あらしがしずまって、夏の夜がしらしらと....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
すって)にまでお見せになりました。 お母さんもずっと御元気です。きのうのように
大荒れに雨が降ると、ああきょうのような日でなかってよかったと云っていらっしゃる。....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
にて、帆綱にあたる風の音はピューピューと、波は次第々々に高まりて舷を打つ、かかる
大荒れをも恐れず、海賊等は是非ともこの入口を開かんとするなり、やがて余の頭上にあ....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
と、才蔵は頭を掻いて、文らしいものを預って腹巻へ落しこんで行ったが、なにしろあの
大荒れなので、雨と汗のしめりで、糊のように溶けてしまった。これでは用にたつまいと....