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大詰
「大詰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大詰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
うたんば》がよろしくあって、とどあの晩汽車の窓で手巾《ハンケチ》を振ると云うのが
大詰《おおづめ》だったんだ。何しろ役者が役者だから、あいつは今でも僕が国へ帰って....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「もうこうなったら仕方がねえ」と、半七は諭すように云った。「この芝居ももうこれで
大詰めだろう。おい、千次郎。正直に何もかも云ってしまえ。自身番まで引き摺って行っ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の方で手がけた事件に怪談というのは少ないものです。いつかお話した津の国屋だって、
大詰へ行くとあれです」 「しかし、あの話は面白うござんしたよ」と、わたしは云った....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
ンになるような単純なものではないよ。犯人は間もなく判るさ。だがそれは、この事件の
大詰めではない。例えば、まずあの『明日の午後だ。明日の午後までだ、きっとここまで....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
はやめてもらおう。それほど算哲の遺骸が気になるのだったら、その発掘は、この事件の
大詰が済んでからのことにしようじゃないか」
「うん、神経かもしれないが。けっして....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
、中村座の六月興行で、名題は「梅雨小袖昔八丈」という。原作は四幕十一場であるが、
大詰の町奉行所などは初演だけにとどまって、再び舞台にのぼらない。 誰も知るごと....
「続堕落論」より 著者:坂口安吾
っており、我々国民又この奥の手を本能的に待ちかまえており、かくて軍部日本人合作の
大詰の一幕が八月十五日となった。 たえがたきを忍び、忍びがたきを忍んで、朕の命....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
涙にむせびながら、その通帳を更生記念として発奮を誓ったが、かくて“人生紙芝居”の
大詰がめでたく幕を閉じたこの機会にふたたび“人生|双六”の第一歩を踏みだしてはど....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
たわね、訊かないと云う」 彼女は私を下目に見た。彼女は貴婦人そのものであった。
大詰の前の一齣が来た。 円頓寺街路を歩いていた。霧の深い夜であった。背後から自....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
が掛けてあった、甲斐の石和の山の中で荘官|木工作が泡雪奈四郎に鉄砲で射殺された。
大詰の大戦争の駢馬三連車も人を驚かせるが、この踊り屋台然たる戦車の上に六人の銃手....
「審判」より 著者:カフカフランツ
い人間として退場すべきだろうか? 訴訟の初めにはそれを終えようと願ったのに、その
大詰になった今ではまた始めたいと思っているなどと陰口を言われてよいものだろうか?....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
背を者どもに向けると、裳裾は長く――後ろ姿の背の高さ、恐ろしさ――彼女は去った。
大詰は徐々に迫ってくる。――この諸事曖昧の宮廷に、いまは掟のように凝り固まったと....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
て「四千両小判梅葉」を初演。九蔵の藤岡藤十郎、菊五郎の野州の富蔵、いずれも好評。
大詰の伝馬町牢内の場が眼新しく、市中の評判となる。 ○二月二日、四代目助高屋高助....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
とは違って、大胆に、しかも優しく
馴れた音じめに演奏の手を下して、
自分で極めた
大詰へみやびやかな迷の路を
さまよいながら運ばせる、
それはあなた方、老錬な方々....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
、明日早朝に源次郎が夫を背負って追い付く手筈に事は決ったのだ。二時間余りを費した
大詰の幕としては、余り見栄えもしないが、これまでに漕ぎ付けた役者の骨折は、傍で見....