大谷石[語句情報] »
大谷石
「大谷石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大谷石の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
女には始めてだった。たね子は紋服《もんぷく》を着た夫を前に狭い階段を登りながら、
大谷石《おおやいし》や煉瓦《れんが》を用いた内部に何か無気味《ぶきみ》に近いもの....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
こへ出来たという風に並んでいる。その間を通って来ると、段々|生垣《いけがき》や、
大谷石をすかしておいた垣の奥の洋館などが見えて来る。同じ桜の並木通りといっても、....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
跡で機械体操の練習を始め、脚力と同時に腕の力を強くする練習を始めて、毎日十五貫の
大谷石を担いで走る練習を始めたのだが、もう夏になつてゐた、私はパンツ一つの素ッ裸....
「魔都」より 著者:久生十蘭
やかな帝国ホテルのロビーも、さすがに元日の朝は人影もなくひっそりとしている。林は
大谷石の柱の影になった薄暗い椅子に真名古を導きながら、
「お忙しいところをお呼び....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
浜で降りて満寿子さんのお墓を見に行った。墓地と向いあわせのクライスト教会は、青い
大谷石の外側だけ残してすっかり焼け落ち、山手の丘もほとんど焼野原になっていた。だ....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
神月のまどわしにかかって身を誤った。 そのころ、神月に送った手紙の束が、別荘の
大谷石の壁暖炉の、嵌《はめ》こみになったところに放りこんであることを知っていたが....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
これは、この頃の刑事部屋の風景と、ひどく彷彿としている。 怪漢の膝へ、重い
大谷石を乗せて置いて、係りの廷丁が、太い撲り棒で、背中を滅多打ちに撲りつけた。と....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
ける忠実さに心を打たれます。 宇都宮近くに大谷という土地があります。いわゆる「
大谷石」の産地で、遠く弘仁時代にその石で刻んだ仏像が今も残っております。同じ石で....
「醤油仏」より 著者:吉川英治
。 「おれが、よしというまで、注いじゃいけねえぞ」 伝公は少し居場所をかえて、
大谷石を二ツ重ねた上へ、悠々と腰を下ろした。 そしてしばらく大川を睨んでいた。....