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大豆
「大豆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大豆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
どがえしとみずひきとあかざととびつかとで茫々《ぼうぼう》としていた。ひき残された
大豆の殻《から》が風に吹かれて瓢軽《ひょうきん》な音を立てていた。あちこちにひょ....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
逃げるように急ぎ足で部屋を出ていくその看護婦の肉づきのいい顎《あご》の右側に、黒
大豆をそっと貼《は》りつけたような黒子が明らかに認められた。おお、幸運の黒子! ....
「親子」より 著者:有島武郎
ちょっとした切崕を上がるとそこは農場の構えの中になっていた。まだ収穫を終わらない
大豆畑すらも、枯れた株だけが立ち続いていた。斑ら生えのしたかたくなな雑草の見える....
「蠅男」より 著者:海野十三
実は帆村は、まだそれ以上の蠅男の凶器を知っていた。それはその抜け腕の或るところに
大豆が通り抜けるほどの穴が腕に沿って三、四個所も明いていたが、ここには元、鉄の棒....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
暢彦に年男をやらせる。元気で二人声を揃えて、「敵撃滅、鬼は外」とやり、ぱらぱらと
大豆をまく。 ◯敵機、この頃東京襲撃がとかくとぎれ勝ちなり。昼間の大空襲も停頓し....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
て松明を出さしめ、後続する軍の便宜を与うべし、更に一手は長浜の町家に至り米一升、
大豆一升宛を出さしめ、米は粥に煮て兵糧となし、
大豆は秣として直ちに木の本の本陣に....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
に出かけた。いるいるウジウジいる。ついに夜明け頃までに十有三疋捕えた。大きいのが
大豆の半分ぐらい、小さいのが米粒ぐらい、中ぐらいのが小豆ぐらいある。これは出獄の....
「火の扉」より 著者:岸田国士
であつた。 ハザの上に盛り上つた稲の穂、軒端に満艦飾のようにつるされた干ガキ、
大豆の山、大根畑の波……秋のみのりの豊かさにほゝえむ人々の顔が、彼女には、時とし....
「米」より 著者:犬田卯
そうかな。……それはまア、どうでもいいが、早いとこ、何があるんだか、化成か魚糟か
大豆か……」 「化成は切れっちまったが、魚糟配合があるんだ。」 「それは……山十....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
をのせて、懐手で腰をきろうという処だッていいますぜ。 内地から醤油、味噌、麦、
大豆なんか積んで、船の入る日にゃ、男も女も浪打際へ人垣の黒だかり。遥の空で雲が動....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
同じ石英斑岩でも、これから槍下までのは、胡摩塩状斑点が減じて青色を帯び、赤褐色の
大豆大の塊が点々混ってやや軟かい、砂礫の多量に含む処を見ると、風化し易いように思....
「美味い豆腐の話」より 著者:北大路魯山人
電動化して、製品はすべて機械的になってしまったのみならず、経済的に粗悪な豆(満州
大豆)を使うようになったりなどして、京都だからとて、美味い豆腐は食べられなくなっ....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
貿易の自由化が本格化して七〇%は完成しようとしております。そのために、北海道では
大豆の値段が暴落し、また中小下請工場は単価の引き下げに悩んでおります。通産省の官....
「生き烏賊白味噌漬け」より 著者:北大路魯山人
いるものもないではないが、品が落ちる――となっている。白味噌は辛味噌からみると、
大豆と糀とがかっていて塩が少ないために、甘酒ほどではないが、甘味のかった味噌であ....
「味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
味を生かすか殺すかが、料理する者の責任であり、楽しみの種でもある。その昔、単なる
大豆、得体が知れない芋、これらを生かして豆腐を発明し、美味くて安くて、日常食とし....