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「大賊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大賊の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
夫は、今年五月の上旬に召捕《めしと》られて、八月の中旬に獄門になった、評判の高い大賊《たいぞく》である。それが大名屋敷へばかり忍び込んで、盗んだ金は窮民へ施した....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
けるのです。その代り(再び笑う)――その代りわたしは一夜の内に、稀代《きだい》の大賊《たいぞく》になれるのです。呂宋助左衛門《るそんすけざえもん》の手代《てだい....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
》ゆる、人間という人間に接して来ていた。しかし彼は、今目の前に見る江戸名打ての、大賊のような自他にこだわらず、何時も、悠々として、南山を眺め続けているような、自....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
や) 女賊 後柏原天皇|大永年間、陸奥一円にかくれなき瀬越の何がしという大賊、仙台|名取川の上流、笹谷峠の附近に住み、往来の旅人をあやめて金銀荷物|押領....
薬草取」より 著者:泉鏡花
、小児心にも知っていたけれども、堅く言付けられて帰ったから、その頃三ヶ国|横行の大賊が、つい私どもの隣の家へ入った時も、何も言わないで黙っていました。 けれど....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
山三郎が認めました遺書二通、その一通は母に贈りますので、其の文には粥河圖書は大賊に致して、手下の二百人からある強盗、其の女房お蘭なる者が我身の大事を知ったと....
青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
であったのだ。 フランボーは英国に居たのだ。三ヶ国(仏、白、英)の官憲は、この大賊を、遂にガンからブラッセルへ、ブラッセルからオランダへと追跡したのだった。そ....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
されたが、その後どうしたことやら。……噂によれば、身を持ち崩したあげく、恐ろしい大賊になったということだが……三国峠の権という大賊に。……それもこれも元はといえ....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
、「緑林黒白」である。 この「緑林黒白」こそは、日本、支那、朝鮮に輩出した巨盗大賊の伝記であって、行文の妙、考証の厳、新説百出、規模雄大、奇々怪々たる珍書であ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
が碩翁は、少なからず肝をひやした。いかに我がままが通り相場とはいえ、国家を毒する大賊を、将軍たるものが助けたとあっては、上ご一人に対しても、下万民に対しても、申....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
て、金の鯱の鱗をはがしたと伝えられている。かれは享保年間に尾州領内をあらし廻った大賊で、その事蹟は諸種の記録にも散見している。しかし天主閣の鱗をぬすんだというの....
時勢と道徳観念」より 著者:喜田貞吉
虎関の作と云い、玄慧の作とも言われる異制庭訓往来に、 賊に大小あり、小罪既に大罪よりも軽し。小賊何ぞ大賊に等しからんや。窃盗・強盗は山賊・海賊の比にあらず。山賊・海賊は他領押両(領....
不苦心談」より 著者:森鴎外
も自家の醜は隠される間は隠している。そればかりではない。フランスの誰やらの本に、大賊が刑せられる時、人間の一番大切なる秘密を語ろうと云った。人が何かと問うた。賊....