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大身
「大身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
継※※を着けた彼の前髪姿は、芝居でみる忠臣蔵の力弥《りきや》のように美しかった。
大身《たいしん》の子息であるから、かれは山崎平助という二十七歳の中小姓《ちゅうご....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
森川|宿《じゅく》の旗本稲川|伯耆《ほうき》の屋敷から使が来た。稲川は千五百石の
大身《たいしん》で、その用人の石田源右衛門が自身に出向いて来たのであるから、河内....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に、小さい亡骸《なきがら》を横たえていたかという疑問であった。黒沼家は千二百石の
大身《たいしん》で、屋敷のうちには用人、給人、中小姓、足軽、中間のほかに、乳母、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
古するのは、馬に乗ることが好きだという人で、云わば本人の道楽です。神原は三千石の
大身《たいしん》で、馬に乗るのが大好きでした。同じ道楽でも、武士としては誠に結構....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
由兵衛には面白くなかった。かれは自分の甥を店の養子に直して、自分が後見人格でこの
大身代を掻きまわそうという悪法を巧《たく》んでいたが、その甥はまだ十五の前髪で、....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
のは少くも三百石以上でしょう。五百石以上となれば立派なお歴々で、千石以上となれば
大身、それこそ大威張りのお殿様です。そこで、この小坂さんの屋敷は千五百石というの....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
の紋着、振袖が颯と山颪に縺れる中に、女の黒髪がはらはらと零れていた。 手に一条
大身の槍を提げて、背負った女房が死骸でなくば、死人の山を築くはず、無理に手活の花....
「空襲警報」より 著者:海野十三
よし、すこし長すぎるけれど、これを使って加藤清正の虎退治とゆこう。 「うおーッ、
大身の槍だぞォ……」 いきなり湯殿の戸をガラリとあけると、旗男は長い旗竿を、怪....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
そうで、始終あっちへお詰め遊ばす、お留守は奥様、お老人はございませんが、余程の御
大身だと申すことで、奉公人も他に大勢、男衆も居ります。お嬢様がお一方、お米さんが....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
は原作にも無理があるのだから致し方がない。単に旗本というばかりで身分を明かさず、
大身かと思えば小身のようでもあり、話の都合で曖昧に拵えてある。桜痴居士らも無論に....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
大きく、商売も手広く、ほかに広大の土地や田畑も所有して、淀橋界隈では一、二を争う
大身代と謳われている。その井戸屋へ嫁入りの相談を突然に申込まれて、近江屋でも少し....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
方の相手には没交渉であった。四郎兵衛はもどかしそうにいった。 「お見受け申せば御
大身の御後室様のようでござりますが、喧嘩のまん中へお越しなされて、何とかこのお捌....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
「おのれ、何者じゃ。お微行じゃで御苗字は申さぬが、これは当時この都に隠れもない御
大身の御息女でおわしますぞ。仮りにも無礼を働いたら、おのれが首も手足もばらばらに....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
無えッて、差配さんは忘れたと謂わッしたっけ。その遊女は本名お縫さんと謂っての、御
大身じゃあなかったそうじゃが、歴とした旗本のお嬢さんで、お邸は番町辺。 何でも....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
客をドッと笑わした。謹厳方直容易に笑顔を見せた事がないという含雪将軍が緋縅の鎧に
大身の槍を横たえて天晴な武者ぶりを示せば、重厚沈毅な大山将軍ですらが丁髷の鬘に裃....