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「大過〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大過の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女の決闘」より 著者:太宰治
し、とにかく話の筋が通って居れば、それで役所の書類作成に支障は無し、自分の勤めも大過無し、正義よりも真実よりも自分の職業の無事安泰が第一だと、そこは芸術家も検事....
高山の雪」より 著者:小島烏水
崗石の肌の色に負うことが多いが、富士山の冬の紫は、雪の変幻から生ずる色といっても大過はあるまい。 ただしこれらは遠くで見る山の美しさである、実際日本北アルプス....
愛と美について」より 著者:太宰治
sです。急激に、どんどん変化している時代を過渡期というならば、現代などは、まさに大過渡期であります。」てんで、物語にもなんにもなってやしない。それでも末弟は、得....
成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
も一つの原因になってはいましょうが、それよりも何にも考える事が出来なかったのが一大過失でした。 それでも、私はまだ男に教育され激励されて、とにかく、自分の生活....
異性に対する感覚を洗練せよ」より 著者:岡本かの子
来るものであり、また実際現代の女性たちは意識無意識に拘らず、彼女等の感覚によって大過なく日常を処置しているようである。 従って彼女|等をしてその特長の新感覚に....
『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
私には、正確な記憶が無い。 井伏さんも酔わず、私も酔わず、浅く呑んで、どうやら大過なく、引き上げたことだけはたしかである。 井伏さんと早稲田界隈。私には、怪....
夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
いガキのころからオレの膝元に育ち、特に仕込んだわけでもないが、オレが工夫の骨法は大過なく会得している奴です。五十年仕込んでも、ダメの奴はダメのものさ。青笠や古釜....
中庸」より 著者:坂口安吾
し、機にのぞみ変に応じて甚だ複雑困難なものの如くであるが、一面中庸を失わなければ大過なきを得るものの如くである。その意味に於ては、無為無能の村長たる私も多少の存....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
合せよ。その希望が持てず、その見通しができないときは別離せよ。とでもいっておいて大過ないであろう。かくてなお不幸にして一つの結合に破れたからといって絶望すべきで....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
くつかの政府は、歴史上最も無能な政府の標本に属するものであったが、占領軍の指導で大過なきを得たのであった。 歴史をくりかえすのはバカのやることだ。歴史は過ちを....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
はなく、別の汽車で出て、別々に帰るというやり方である。 せつ子もその手を用いて大過なくやってきたが、今度だけは勝手がちがう。 宇賀神芳則は右翼団体の顧問格の....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
きませんやね」 虎之介は海舟の自戒の深さに敬服し、あわせて、居ながらにしてほぼ大過なく事の真相を見てとっている心眼の深さに敬服、ああ偉なる哉と目をとじ頭をたれて言葉を忘れているのである。....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ときはヒゲに手を当てて自分の齢を考えるように、その訓戒をまもってヒゲに手を当てて大過なきを得ているが、そのおかげでナマズなどと呼ばれもする。 左近は常友が返済....
映画と音楽」より 著者:伊丹万作
楽がくわわつて効果をます場合が四割、効果を減殺される場合が六割くらいに見ておいて大過がない。だから音楽を吹きこむ前に試写してみて十分観賞に堪え得る写真を作つてお....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
る。お菊は張りつめた気が一度にゆるんで、頽れるように縁先に手をついた。あまりに寛大過ぎた主人の沙汰に、十太夫も少しあっけに取られていると、播磨は又静かにいった。....