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大部屋
「大部屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大部屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の女にからかって、青鬼のような顔をみせられて、気が遠くなって倒れた。その当時にも
大部屋の中間どもが清水山探検に押し出そうとしたのであるが、余り騒ぎ立てるのもよく....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
だ」 「内の人を迎えに行ったのでございます」と、お豊は云った。「藤代様のお屋敷の
大部屋で毎日賭場が開けるもんですから、長作はその方へばかり入り浸《びた》っていて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はたち》ですが、その兄貴の米吉というのは商売無しの遊び人で、大名屋敷や旗本屋敷の
大部屋へはいり込んで日を暮らしている。勿論、妹のところへも無心に来る。お定まりの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も少し聞き込んだことがあります。御承知の通り、あの辺には屋敷が多いので、わっしも
大部屋の奴らを相当に知っていますが、この間からいろいろの噂を聞いていますが、噂と....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
町人らしくない奴です。と云って、遊び人にしちゃあ野暮に出来ているし、まあ、屋敷の
大部屋にでも転がっていたような奴ですね」 「折助か」と、半七はうなずいた。「折助....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は下谷の小森という与力の屋敷の中間で、ふだんから余り身状のよくない、方々の屋敷の
大部屋へはいりこんで博奕を打つのを商売のようにしている道楽者であった。去年の暮、....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
たがた「赤い苺の実」の三|場ばかりへ顔を出して貰いたいということになった。そして
大部屋の人たちに紹介してくれた。 一郎はそれを報告のために、ジュリアの部屋に行....
「河明り」より 著者:岡本かの子
。階段を上り下りする人間は、大概顔見知りの店員たちで、それは確に、三階の寝泊りの
大部屋へ通うものであって、昼は店に行っていてそこには誰もいない。二階の表側の一室....
「赤旗事件の回顧」より 著者:堺利彦
ていた。わたしの室にはわたしと外にだれか一人、隣の室には婦人連、そして向かい側の
大部屋にはその他の大勢という割当てであったが、その
大部屋はまるで動物園のおりよろ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
つは並のヨタモノであるが、一つは大船へ引越した松竹撮影所が蒲田へ置きすてていった
大部屋の残党だ。 私のアパートの隣室が彼らの巣で、主として自分らの情婦をつかっ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
んでしまった。しかし、酒宴の一同も相前後して酔いつぶれ、後のことは分らない。尚、
大部屋の連中は年中楽屋に寝泊りしていた。彼らには定まる家がないのである。 新十....
「中毒」より 著者:織田作之助
の科白をいやという程喋ったあげく、大写しの中で死んで行く主演俳優の死の姿よりも、
大部屋連中が扮した、まるで大根でも斬るように斬られて、ころりと転がってしまう目明....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
派手な浴衣を着けたまま、客席に坐っている女優の視線とぶっ突かった。 江口冴子、
大部屋だが、さっき紹介された女優達の中で一番印象に残っていた。主役の女優よりも溌....
「中支遊記」より 著者:上村松園
楽屋は二階をあがったりおりたり、特有な臭をおしわけてゆくような処で、日本でいう
大部屋という感じだった。チャリも三枚目も女形も大将軍も一部屋にごちゃごちゃと座を....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
て鳴いてみせねえじゃァねえか。」 ……で、これではいけないと急に狼狽てゝ、とゞ
大部屋のもの二三人があたりの闇を幸い、丈なす草のしげみにかくれてほんとうの虫笛を....