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「大酔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大酔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
て服した虎はよほど弱腰の生れだったと見える。『朝野僉載《ちょうやせんさい》』には大酔して崖辺で睡《ねむ》った人の上へ虎が来て嗅ぐと虎鬚がその人の鼻孔に入りハック....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
人が出張して、医師も立ち会いで検視をすませたが、死人のからだには仔細なく、やはり大酔のために路傍《みちばた》に倒れて、前後不覚のうちに凍死を遂げたものと決められ....
仇討三態」より 著者:菊池寛
はなかった。彼は、平生の大酒に輪をかけて、二升に近い酒を浴びていた。 その夜、大酔した嘉平次が、蹣跚として自分のお長屋へ帰ろうとして、台所口を出たときだった。....
伸子」より 著者:宮本百合子
てる。女達は肩を振って仲間同士ぶつかり合い笑い崩れた。軍服を着た兵士が、それこそ大酔して、逆に群集をかきわけて来た。よろよろとして、据りのわるい首を揺ってはぶし....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
の場に居合せながら大金の紛失に気附かざりしとは、察するところ、意地汚く酒を過し、大酔に及んだがためと思われる。飲酒の戒もさる事ながら、人の世話をするなら、素知ら....
親友交歓」より 著者:太宰治
いに飲めるようになるよ」 私は彼がこの調子で、ぐいぐいウイスキイを飲み、いまに大酔いを発し、乱暴を働かないまでも、前後不覚になっては、始末に困ると思い、少し彼....
木の芽だち」より 著者:宮本百合子
心をもたれた。聰明な伊達の家長たちは、その危険を十分に洞察した。伊達政宗がわざと大酔して空寝入りをし、自分の大刀に錆の出ていることを盗見させた逸話は有名である。....
良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
は、妻自身大酒をのむか、但しはのみたる振りで酔っぱらって困らせて見せるか、知人の大酔家を、夫のしらふの時に夫の眼の前へ連れて来て見せしめにするかです。 正当に....
今戸心中」より 著者:広津柳浪
、隣の尾車《おぐるま》という花魁の座敷の前で、大きな声で大口を利くのが、いかにも大酔しているらしく聞えた。 その日も暮れて見世を張る時刻になッた。小万はすでに....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
占めにしちゃア困るじゃないか。オレたちの席へも女をまわしてもらいたい」 すでに大酔しているのである。畑中はかねてこういうこともあろうと用心して、女たちの姿をな....
吊籠と月光と」より 著者:牧野信一
』の旗誌を僕は、感慨深く見あげながら質問した。僕たちは、その旗に関しては七郎丸が大酔をした時に、たった一遍話材にした以外には、不断はいい合せたかのようにそれにつ....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
今日だから何もかもぶちまけてしまうが、あの頃私はなけなしのお金でお酒を飲み続け、大酔して夜、寝る時が一番辛かった。なぜならまた明日も現金払いで医者へ注射を打ちに....
雪柳」より 著者:泉鏡花
鈍痴と、劣情を兼ね備えた奴として、この魔法にかからずにいられますか。 その上に大酔悩乱です。――一度はいつか、二日酔の朝、胸が上下に跳上り動悸をうつと、仰向け....
梅ちらほら」より 著者:吉川英治
とばが、一生忘れられない。 それと、その帰りに、父が、蕎麦屋かどこかで飲んで、大酔した。ほかの梅見客と同じように、梅の一枝をかついで、さんさんと道をよろめき、....
」より 著者:長谷川伸
小説と同じように打ってくるものを持っていることが感じられる。 母に別れてのち大酔に及ばぬときは一日も夢にみぬことなし、機嫌よきときはその朝こころよし、さもな....