大鎧[語句情報] » 大鎧

「大鎧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大鎧の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
川中島合戦」より 著者:菊池寛
軍の右翼で接戦し、甲軍の死傷漸く多く、隊長両角豊後守虎定は今はこれまでと桶皮胴の大鎧に火焔頭の兜勇ましく逞しき葦毛に跨り、大身の槍をうちふって阿修羅の如く越兵を....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
に鎧を着たというのも、ふざけ者が土用干の時の戯れのように犢鼻褌《ふんどし》一ツで大鎧を着たというのでは無く、鎧直垂を着けないだけであったろうが、それにしても寒い....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
命を捧げた、苦労のほどが偲ばれて、何となく涙ぐまるる。 で、本文通り、黒革縅の大鎧、樹蔭に沈んだ色ながら鎧の袖は颯爽として、長刀を軽くついて、少し屈みかかった....
鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
かいた。三上はおなじく立ち泳ぎをしながら西瓜と真桑瓜の皮をむいた。福井は家重代の大鎧をきて、兜をかぶって太刀を佩いて泳いだ。それ程の者であるから、近習頭の山下も....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
わらず、吉野山雪中の立廻りなどは、猿之助の横川覚範にかえって薙ぎ立てられる形で、大鎧をきて重い兜をかぶって奮闘する彼の太刀先や足どりがとかくにみだれがちであるの....
私本太平記」より 著者:吉川英治
は床几を起った。 幕舎の隅へ眼をやって、そこのよろい櫃、衣裳箱などの前に立ち、大鎧を解いて、腹巻、陣座羽織の軽装にあらためている。――直義はもう黙って、兄の着....
私本太平記」より 著者:吉川英治
もいって、まだうら若いが、兄高時とひとしく法体の武人であった。が、今日はもちろん大鎧に身を装い、総大将として、多摩野に駒をたてていた。 陣は、あけがた、分倍河....
私本太平記」より 著者:吉川英治
半ば、この発向は、義貞の意地でもある。 病間|窶れの翳に加え、眼はするどく、大鎧も重たげに、 「陽も、久しぶり」 と、馬上、弥生の空の下へ出たが、まだ気懶....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の上にあぐらして、いま駅門に馬をつないだ和田助家と楠木弥四郎の報告をうけていた。大鎧は脱いで、うしろに置き、そこにはまた、童武者の蔦王が、居眠っていた。 「そう....