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大鐘
「大鐘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大鐘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
も親を助けようという了簡になりましたのは実に不幸の娘であります。九ツも過ぎ、芝の
大鐘《おおがね》は八ツ時でちらり/\と雪の花が顔に当る処へ、向うから白張《しらは....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
て、鐘群の輪郭が暈っと朧気に現われて来た。 「上の小鐘は暗くて判らんが、下にある
大鐘だけは二つ見える。」警察医が屍体を検案している方には見向きもせず、法水は仰向....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
東野山には堀久太郎秀政(兵五千)、大岩山には中川瀬兵衛清秀(兵一千)、神明山には
大鐘藤八(兵五百)、堂木山には山路将監(兵五百)、北国街道には小川土佐守(兵一千....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ことだ。それには二人の弟子や寺男任せでなしに、まず自分で庭の鐘楼に出て、十八声の
大鐘を撞くことだと考えた。 翌朝は雨もあがった。松雲は夜の引き明けに床を離れて....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、十三年も達磨の画像の前にすわりつづけて来たような人の自ら鐘楼に登って撞き鳴らす
大鐘だ。 まだ朝の眠りをむさぼっている妻のそばで、半蔵はその音に耳を澄ました。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、この人には道を修めることで、法鼓、諷経等の朝課の勤めも、払暁に自ら鐘楼に上って
大鐘をつき鳴らすことも、その日その日をみたして行こうとする修道の心からであった。....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
である。隣近所でおろす槌の響は、狭い空洞の中に籠り切って、丁度鳴りはためいて居る
大鐘に頭を突っ込んだ通りだ。而して暑さに蒸れ切った空気と、夜よりも暗い暗闇とは、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
っさん》に安珍殿を追いかけたものだ」 「なるほど」 「それから安珍殿が、道成寺の
大鐘の下へかくされる、追っかけて来た清姫様は、もうこの時は本当の蛇におなりなすっ....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
らに心を跳らせた。 「実は、我が昵懇のものであるでの。」 と云い出された。二人は
大鐘を撞かれたほどに驚いた。それが虚言か真実かも分らぬが、これでは何様いう始末に....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
打って、いたいようでした。彼はパトラッシュをしっかりと抱きしめました。やがて町の
大鐘が音たかく鳴りわたりました。十二時になったのです。と同時に玄関の扉が開いて、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の彼方の平野にある村々。そしてずっと遠方には、靄《もや》の中に隠れてる町から来る
大鐘の音……。クリストフは立ち止まった。心はつぶれそうになっていた。それらの鐘の....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
瞬の間断もなく続いて、夜半になって月が昇った頃にまで及んだ。 聖ポール寺院★の
大鐘が澄みわたった空気の中で一時を鳴らした頃、ロリー氏は、長靴を穿いて提灯を持っ....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
るのである」 この時大天文台からは、非常信号が掛かって、会堂の一隅に置かれたる
大鐘は、物凄い音響を以て、聴衆の耳朶を烈しく打った。 下 地球遂に滅亡す....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
ある道成寺にのがれ、救いをもとめた。寺僧は彼の請をいれた。ただちに、僧を衆めて、
大鐘を下し、その内に、安珍を納した。 やがて、清姫の怨の権化――大蛇の姿が現わ....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
なるのであった。…… 丁度この時、彼等は尼僧院の前を通りかかって、折から千貫の
大鐘が鳴りはじめた。リイタが十字を切った。 「この尼僧院には私たちのオーリャが居....