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大長
「大長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大長の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
民子が心を取り直したらしく鮮かな声で、 「政夫さん、もう半分道来ましてしょうか。
大長柵《おおながさく》へは一里に遠いッて云いましたねイ」 「そうです、一里半には....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
らず至極凌ぎよい。食物は、盲いた蝦、藻草の類。底には、ダイヤモンドがあるが無用の
大長物。さて、本日出口をさぐりさぐりやっと地上へ出たが、やはりパ、ア両軍の対峙は....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
敗走軍を追って川の辺に来ると、鍬形打った甲の緒を締め、最上胴の鎧著けた武者一騎、
大長毛の馬を流に乗入れて、静々と引退くのを見た。落付き払った武者振只者に非ずと、....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
るべからず、吾輩はほぼその事情を知れり、維新以来わずかに二十有三年、文化の進行は
大長歩をもってしたりというといえども、深奥の学理は豈に容易に人心に入るべけんや、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
台の家老はその日まで旅をためらっていて、宿方で荷物を預かった礼を述べ、京都の方の
大長噺を半蔵や伊之助のところへ置いて行った。 七月にはいっても、まだ半蔵は連日....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
さんがおれをつかまえて放さないと来てる。いろいろの宿場のうわさも出たよ――いや、
大長咄さ。」 老年らしい沈着をもった父の様子に、半蔵もやや心を安んじて、この宿....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
たのも、その時である。 次男正己は妻籠の養家先から訪ねて来て、木曾谷山林事件の
大長咄を半蔵のもとに置いて行ったことがある。正己の政治熱はお粂の夫弓夫とおッつ、....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
を生むものかい」 とワイトマンは相手にしなかった。 梅野十伍はこう書き終って
大長息した。これで一と通りのフェアさをもって前篇の謎を解いた。しかし読者は、これ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ります、御殊勝にござります。難有や、」 と浅からず渇仰して、 「本家が村一番の
大長者じゃと云えば、申憎い事ながら、どこを宿ともお定めない、御見懸け申した御坊様....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
を知らしゃらぬ。主としたものは何ということぞいの。 このさきの浜際に、さるの、
大長者どのの、お別荘がござるてよ。その長者の奥様じゃわいの。」 「それが御建立な....
「理想の女」より 著者:坂口安吾
ない。まだしも西鶴は八百屋お七を書いてゐる。 大袈裟に力む必要もない。大文学、
大長篇である必要もない。さゝやかな短篇で、たとへば、メリメの如く、カルメンからコ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
と登っていた。三人とも、耳の上も頬骨のところまでも身をくるんでいて、膝の上までの
大長靴を穿いていた。この三人の中の誰一人も、自分の見たことからは、他の二人のどち....
「酒渇記」より 著者:佐藤垢石
計七升を平らげ、丹頂鶴金に及ばなかったのが残念であった、と宙に向かって息を吹く。
大長という男は四升余りを飲み尽くして近所に寝ていたが、次の朝、辰の刻ごろに眼をさ....
「ローマ法王と外交」より 著者:国枝史郎
地エルサレムに至り異教徒の横暴を見、聖地荒廃の態を探ったと称し、且、エルサレムの
大長老より托されたという書簡をかざし、イタリヤ、フランスの各地を巡り、「すみやか....
「山吹」より 著者:泉鏡花
場末の縁日にも余り見掛けなくなりました。……これは静でしょうな。裏を返すと弁慶が
大長刀を持って威張っている。……その弁慶が、もう一つ変ると、赤い顱巻をしめた鮹に....