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大門
「大門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大門の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
れからのそのそ興福寺《こうふくじ》の方へ引返して参りました。
「すると興福寺の南
大門《なんだいもん》の前で、思いがけなく顔を合せましたのは、同じ坊に住んで居った....
「星座」より 著者:有島武郎
らと。女たちがそれをおかしがるとなお笑った。
柿江は大黒座を左に折れて、遊廓の
大門を大急ぎで通り越しながら、こんなことを不安に満たされた胸の中で回想していた。....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
回《うら》を返した。その次の夜には三回目《なじみ》を付けた。三回目の朝には八橋が
大門口《おおもんぐち》まで送って来た。三月ももう末で、仲の町の散る花は女の駒下駄....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
人を注意するように頼んで帰った。 あくる朝、政吉は雨にぬれて吉原を出るところを
大門《おおもん》口で捕えられた。前にも云った馬道の庄太が彼を召捕ったのである。半....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
です」 「それもよかろう。ここへ来たら土地っ子のお指図次第だ」と、半七は笑った。
大門のなかには柳と桜が栽えてあって、その青い影は家々のあかるい灯のまえに緩くなび....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
座敷へ映るのであろう……と思う。欄干下の廂と擦れ擦れな戸外に、蒼白い瓦斯が一基、
大門口から仲の町にずらりと並んだ中の、一番末の街燈がある。 時々光を、幅広く迸....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
て来た。 「滑稽だ、ねえ?」 「実に滑稽だ」 二人は目を見合わせて吹き出した。
大門を出てから、ある安料埋店で朝酒を飲み、それから向島の百花園へ行こうということ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
、本年の二科会に出た林倭衛の「H氏の肖像」というのはこの久板の肖像だ。 吉原の
大門前を通りかかると、大勢人だかりがしてわいわい騒いでいる。一人の労働者風の男が....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
の公園に参って、もみじ山のあたりを俳徊いたし、何とも涙に暮れました。帰りがけに、
大門前の蕎麦屋で一酌傾け、思いの外の酔心に、フト思出しましたは、老人一|人の姪が....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
唐一人を知っているだけで、その毛唐の処へ、相談に行くより外は無かった。 錢家の
大門は開け拡げてあった。阿Qは、おっかなびっくり入って行った。彼は中へ入りかけて....
「些細な事件」より 著者:井上紅梅
があった。大風の後で外には誰一人見えない。あの車夫があの老女を扶けながらちょうど
大門《おおもん》の方へ向って歩いている。 わたしはこの時突然一種異様な感じを起....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
大廻りに舞台が交ると上野の見晴で勢揃というのだ、それから二|人三人ずつ別れ別れに
大門へ討入で、格子さきで胄首と見ると名乗を上げた。 もとよりひってんは知れてい....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
したふうで頭に手をやり ――いや、まことに生臭坊主で」 僧は流石に笠を冠って
大門の中へ入って行った。国太郎の心には不思議なものが残った。 ....
「こがらし」より 著者:岩本素白
生其処へは余り行ったことがなかったのである。 子供達は、今日珍しく開かれて居る
大門の外で待って居たが、そのうちこんなことを云い出した子供があった。耶蘇教という....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
て男が商売に出かけたあと、お礼の置き手紙を書いてその部屋を後にした。 京城の南
大門まで来ると、町角の小さい「ふ屋」に男入用と書いた札がかかっている。とにかく眠....