大音[語句情報] »
大音
「大音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
まり二三秒置きにせっかくの態度も変わったわけです。しかしとにかくだいたいとしては
大音楽家の威厳を保ちながら、細い目をすさまじくかがやかせていました。僕は――僕も....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
(こっち。)から呼んだので。これが一言でブーンと響くほど聞えたのであるから、その
大音や思うべし。 「やあ、待たせたなあ。」 主税も、こうなると元気なものなり。....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
らん。 女童三 べいい。(赤べろする。) 朱の盤 これは、いかな事――(立直る。
大音に)ものも案内。 薄 どうれ。(壁より出迎う)いずれから。 朱の盤 これは岩....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
に負けるんだ」 「なにィ……」 そのときだった。 天地もひっくりかえるような
大音響が起った。入口の方からは、目もくらむような閃光が、ぱぱぱぱッと連続して光っ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
がががーん。 ひゅうひゅうひゅう。ざざざざっ。 天も海もひっくりかえるような
大音響だ。 「空爆だ!」 「作業、急げ!」 「総員、波に気をつけ!」 大きなう....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
のごとく膝を揺げ、向け直したと見ると、 「ござらっしゃい!」 破鐘のごときその
大音、哄と響いた。目くるめいて、魂遠くなるほどに、大魔の形体、片隅の暗がりへ吸込....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
も売れませんわい。」 「馬鹿が。」 と夜陰に、一つ洞穴を抜けるような乾びた声の
大音で、 「何を売るや。」 「美しい衣服だがのう。」 「何?」 暗を見透かすよ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
に、丸田官蔵、この成金、何の好みか、例なる詰襟の紺の洋服、高胡坐、座にある幇間を
大音に呼ぶ。 「はッ、」 「き様、逢阪のあんころ餅へ、使者に、後押で駈着けて、今....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
略。そこは先生、武辺者だから、身構えしつつ、土間|取附の急な階子段を屹と仰いで、
大音に、 「頼もう!」 人の気勢もない。 「頼もう。」 途端に奇なる声あり。....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
逃げられると、高を括って度胸が坐ったのでありますから、威勢よく突立って凜々とした
大音声。 「お頼み申す、お頼み申す! お頼み申す※」 と続けざまに声を懸けたが....
「露肆」より 著者:泉鏡花
ちょいと隔っただけ、三徳用の言った事が大道でぼやけて分らず……但し吃驚するほどの
大音であったので、耳を立てて聞合わせたものであった。 会得が行くとさも無い事だ....
「多神教」より 著者:泉鏡花
暗い思は晴れました。媛神様、お嬉しう存じます。 丁々坊 お使いのもの!(森の梢に
大音あり)――お髪の御矢、お返し申し上ぐる。……唯今。――(梢より先ず呼びて、忽....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
お雛様は、気の利いた鼠なら遠慮をして甞めねえぜ、盗賊ア、盗賊ア、盗賊ア、」 と
大音を揚げて、 「叱! どこの野良猫だ、ニャーフウー」 一杯に頬を膨らし、呻っ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
薪屋の店前に、炭団を乾かした背後から、子守がひょいと出て、ばたばたと駆けて行く。
大音寺前あたりで飴屋の囃子。 紅梅屋敷 六 その荷車と....
「活人形」より 著者:泉鏡花
形もあからさまなる、下枝を人形の跡へ突立せ、「声を立てるな。と小声に教えて、己は
大音に、「赤城様、得三様。」いうかと思えば姿は亡し。すでに幕の後へ飛込みたるその....