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大領
「大領〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大領の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
行った。福島の代官、山村氏から言えば、木曾谷中の行政上の支配権だけをこの名古屋の
大領主から託されているわけだ。吉左衛門らは二人の主人をいただいていることになるの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
「そうしてください。」 そこへ清助も来て一緒になった。清助はこの宿場に木曾の
大領主を迎える日取りを数えて見て、 「十三日と言えば、もうあと六日しかありません....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
福島の家中衆が徳川直属時代の誇りと長い間に養い来たった山嶽的な気風とは、事ごとに
大領主の権威をもって臨んで来る尾州藩の役人たちと相いれないものがあった。この暗闘....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
道中要害の地たる木曾谷と福島の関所とを護らせた。それより後、この谷はさらに尾州の
大領主の手に移り、山村氏が幕府直轄を離れて名古屋の代官を承るようになって、尾州藩....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
の強さも底が知れなかった。いつになってもその正体がつかめないのだ。 彼は大国の
大領主ではなかったが、彼が老いて死ぬまでは誰も彼を亡すことができないように見えた....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
うだろう、その七人の武士に紋也は見覚えがあるではないか。
すなわち一人は薩摩の
大領、島津|修理太夫のお側用人、猪飼市之進その人であり、もう一人は毛利|大膳太夫....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
が少かったが、しかし従属は遥かに大であった。そしてもし貧民が工業の採用によって、
大領主の恩恵に頼ることなく彼らの食料と引替えに何物かを与えることが出来るというよ....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
陸の未踏地のごとく全然人をうけつけぬ、その海の魔境たる理由? しかも、それがわが
大領海「太平洋」中にあるという、折竹の言葉には一驚を喫しないわけには往かない。 ....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
生は、往々にして所謂マット狢の如き小事から胚胎する。かの宝亀年間における上治郡の
大領|伊治公呰麻呂の反の如き、その乱遂に延暦の末にまで及び、ようやく坂上田村麻呂....
「国栖の名義」より 著者:喜田貞吉
国主・栗栖・国栖の三語は古人相通じて同義となせる如し。続紀『天平神護元年、名草郡
大領紀直国栖』と云ふは、紀伊国神名帳『名草郡正一位紀氏栗栖大神』と相因む所あらん....
「本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
って外従五位下勲六等という位階勲等を賜わり、今の宮城県栗原郡地方にあった上治郡の
大領に任ぜられていた伊治公呰麿というものが、これも家柄はもと蝦夷の流れであったと....
「尊攘戦略史」より 著者:服部之総
が、改良主義的尊攘派と徹底的尊攘派が時局紛糾につれてそれだけ鋭く対立した。支配的
大領主たる幕府と被支配領主たる諸藩とが対立したように、藩内上層と下層藩士とが対立....
「大力物語」より 著者:菊池寛
た大力にも似合わず、その姿形は、ねり糸のようにしなやかであった。そして、その郡の
大領(郡長)の奥さんであった。あるとき、主人の郡長のために、麻の布を織って、それ....