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「大願成就〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大願成就の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
願にて、二十年に近き御辛苦に身心を砕かれたのじゃ。いかに、御自身の悪業とはいえ、大願成就を目前に置きながら、お果てなさるること、いかばかり無念であろう。我らのこ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
たのは、壇から上口の六畳の方。 礼之進はまた額に手を当て、 「いや、何とも。私大願成就仕りましたような心持で。お庇を持ちまして、痘痕が栄えるでごわりまする。は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
つには邪慳な親父への面当てもあったのでしょう、二人はとうとう心中という事になる。大願成就と幾次郎は手を拍って喜んだのです」 「それじゃあ二人は幾次郎のところへも....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
あろうとは思わなかった。兎まれ天主閣へ上れるなら、こんな有難え事はねえ。いよいよ大願成就かな」 大須観音境内は、江戸で云えば浅草であった。 その附近に若松屋....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
いが、錫杖を打ち鳴らす修験者、継ぎはぎをした白衣の背におひずるを覆せ、御中道大行大願成就、大先達某勧之などとしたため、朱印をベタ押しにしたのを着込んで、その上に....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
まア何うも、然うでございますか、それじゃア三十三番の札を打ってしまって、お互いに大願成就の暁には生涯私の様な者でも力に成って下さいませんか、本当にお前さんの志の....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
かと訊いたが貫一はいつもの口癖で、異状なしと答えた。 弥陀本願 いよいよ大願成就の第五夜となった。 今宵のお寺は、練馬の宇定寺で、覘う一件は、唐の国か....
地軸作戦」より 著者:海野十三
の別荘ですよ、そこは」 「香港の別荘に金博士は健在か! あーら嬉しや、これでもう大願成就だ」 という次第で、この特使閣下を、わたくしが案内して、博士のところへ....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
は、遠くから呪いの言葉を吐いた。虎松はこの場の不可解な情景に立ち竦んだまま。 「大願成就だ。――ここらで引揚げよう」 と云った半之丞が、何気なく背後をふりかえ....
」より 著者:岡本綺堂
た。 もう仕方がないとお元も覚悟した。娘に化けて近江屋の家督を相続する――その大願成就はおぼつかない。うかうかしていると化けの皮を剥がれて、騙りの罪に問われる....
南国太平記」より 著者:直木三十五
、侍は、疵口を押えて、火の中へ倒れかかろうとするお由羅を、後方へ押し戻した。 「大願成就大願成就」 と、いいながら、お由羅の両手を、胸のところへ集めて、抱き....
良夜」より 著者:饗庭篁村
り勝ちに明神の森まで来りしが、この曲りの三股原に至り、またつとめて勇気を振い起し大願成就なさしめたまえと明神の祠を遙拝して、末|覚束なき旅に上りぬ。路用として六....
屋根裏の犯人」より 著者:坂口安吾
は、それ、その御幣がおのずからに動きだし、また燈明がおのずから消滅いたす。それが大願成就の知らせでござる。よろしいか。よッく目をとめて見ておられよ」 今でも山....
おせん」より 著者:邦枝完二
、俄に音を張る鈴虫に、浴衣を肩から滑らせたまま、半身を縁先へ乗りだした。 「南無大願成就。――」 「叱ッ」 あとには再び虫の声。 京師の、花を翳して過す上臈....
春の大方山」より 著者:木暮理太郎
町程北に離れた小高い所にある。石段を上ると破れた堂のようなものがあって、附近には大願成就など彫り付けた石塔が多い。堂の前から右に石段を下ると、呀然として人穴の洞....