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大風呂敷
「大風呂敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大風呂敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
ローヴィッチと議論をする気にはならなかった。それにペトローヴィッチがひろげたがる
大風呂敷にはいささかへきえきしていたからでもある。彼は勘定をすますと、ちょっと礼....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
源右衛門に注意されて、忠三郎はその一軸を一応あらためた上で、唐桟《とうざん》の
大風呂敷につつんだ。軸は古渡《こわた》りの唐更紗《とうさらさ》につつんで桐の箱に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
三人に渡した。その猫どもを三つに分けて、ある者は炭の空き俵に押し込んだ。ある者は
大風呂敷に包んだ。めいめいがそれを小脇に引っかかえて路地を出てゆくうしろ姿を、お....
「海異記」より 著者:泉鏡花
いったって、一畝り乗って見ねえな、のたりと天上まで高くなって、嶽の堂は目の下だ。
大風呂敷の山じゃねえが、一波越すと、谷底よ。浜も日本も見えやしねえで、お星様が映....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
ではない。証拠を見せよう。それこれじゃ、(萌黄古びて茶となりたるに大紋の着いたる
大風呂敷を拡げて、膳を包む)――お銚子は提げて持って行くわさ。 村越 小父さん!....
「足のない男と首のない男」より 著者:坂口安吾
いかなる本も所持してゐないのである。かういふシブイ人物であるから杉山英樹の衒学的
大風呂敷とはソリが合はないので、由来衒学者は田舎者であり、郡山は最もイキ好みのシ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
た。これは感じからいうとどうもイタリヤ色が濃厚だつたように思う。美女が身に纏うた
大風呂敷のようなものをうち振りうち振り、あたかも自分の肉体の一部であるかのように....
「正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
その時分に、立ち返らなければなりません。山気の多い私にとっては万事万端浮世の事は
大風呂敷を拡げるに限る、これが最良の処世法だと、この様に思われたものですから、道....
「露の答」より 著者:坂口安吾
心のコセコセした時代の量見では推量もつきません。行政事務は各※専門の次官にまかせ
大風呂敷をひろげて天下国家をコンパスでひいた円のように自在又流暢にあつかっており....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
快活な調子で、 「余程変った現象があるですねえ。」といいながら、包を下して、その
大風呂敷を拡げると、中から出たのはいずれも地球上でいまだ見た事もない珍奇な物ばか....
「たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
るとすれば、彼氏もまた時節柄バスに乗り込めたことになる。日ごろ睾嚢八畳敷きを誇り
大風呂敷をひろげて人を誑かしていた狸公も、いささか国家のために尽くすところの一役....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
』なるものを民間に払下げる案をたて、帝都復興院総裁後藤新平はそれによってお得意の
大風呂敷を拡げ、「大東京計画」なるものをでっち上げて、向う七ヵ年間に諸君の東京を....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
大事なものをと思った瞬間、頭に浮かんだのはあの縮図本でした。そうそう、あれあれと
大風呂敷を持って二階に上がり、縮図本をすっかり包みました。そのうちに風向きが変わ....
「迷信解」より 著者:井上円了
りたることあり。ようやく絶頂に近づくに及び、一人の大男が山上の大岩石の上に立ち、
大風呂敷をもって扇ぎおるを認め、猟師らはこれを見てただちに天狗なりと想像し、その....
「俗臭」より 著者:織田作之助
った。人の出盛る頃に運悪い夕立が来て、売物の扇子を濡らしてはと慌てゝしまいこみ、
大風呂敷を背負ったまゝあるしもたやであったに違いない。そのとき、まつ枝の顔に困惑....