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「大鯛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大鯛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
す」 「すこぶるよろしい! では、あすの朝にでも河岸《かし》へ行って、江戸一番の大鯛《おおたい》をととのえてな、それから灘《なだ》の生一本を二、三十|樽《たる》....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
でに二度、お巡さんから誰何された。リュックの中の品物について訊問を受ける。それが大鯛であり、防空頭巾をかぶせてもまれるのを防いであるので、余計に大きく見える。こ....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
生たちにとって、たまらぬいいところらしいが、僕は昔から、身体の立派な女を見ると、大鯛なんかを思い出し、つい苦笑してしまって、そうして、ただそのひとを気の毒に思う....
一本の花」より 著者:宮本百合子
降り、魚屋の角を曲ると、磯田印刷所へは半町ばかりであった。魚屋の看板に色の剥げた大鯛が一匹と、同じように古ぼけた笹が添えて描かれている。そのように貧しげなごたご....
十二支考」より 著者:南方熊楠
した時、問屋の若い者きおい仲間人これを求め、六人掛かりで料理せしが、中に一人この大鯛のあらの料理を受け取り、頭を切りこなす時、魚のえらを離しさまに手の小指を少し....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
るところなどは、戦闘機が飛行場からまいあがって急上昇するのと同じであった。行手に大鯛の群がいたが、エンジンのひびきで、たちまち花火のように四方へちらばった。 「....
古狢」より 著者:泉鏡花
と黒い外套を着た男が、同伴の、意気で優容の円髷に、低声で云った。 「そう。でも大鯛をせるのには、どこでもああするのじゃアありません?……」 人だちの背後から....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
しさ。上下揃いの黒っぽい木綿縞は仕立卸しであろう。前に差し置いた大鉢には血の滴る大鯛が一匹反りかえって、側に御酒代、襟屋半三郎と書いた紙包一封。その前に白い両手....
議会見物」より 著者:佐藤垢石
おいしくたべられるのはいつだろう。 秋田清は、ごんずい鯛だ。小磯は果たして将来大鯛にまで育ってゆき、魚類の王さまになるかどうか。 議会の魚類はどれもこれも、....
鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
いるが、三百匁から四、五百匁のものを中鯛、五、六百匁から二貫五百匁くらいのものを大鯛と言っている。鯛は、二貫五百匁より大きいものは甚だまれであると言っていい。寒....
鯛と赤蛸」より 著者:佐藤垢石
く必要はない。とにかく大仕掛けの網であるから、一網曳くと五、六百匁から二貫目近い大鯛が五、六百貫も入ることがある。一漁期に五千貫乃至一万貫もの漁があって、網漁師....
茶粥の記」より 著者:矢田津世子
では、同じ広島で食った「鯛の生作り」と出雲名物の「鯉の糸作り」だ。鯛は生きのいい大鯛を一匹ごと食膳に運んでくる。眼の玉にタラリと酒を落すと、俄然鯛の総身が小波立....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
結綿のに片端|舁がせて、皿小鉢、大皿まで、お悦が食卓を舁出した。上には知らぬ間の大鯛が尾を刎ねて、二人の抜出した台所に、芬と酢の香の、暖い陽炎のむくむく立って靡....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
心があるかなあ。活きとるわけだ。)と毛の長い若旦那は、一番に膳について、焼ものの大鯛から横むしりにむしりかけて、(やあ、素晴しい鯛だなあ。)場違ですもの、安いん....
私本太平記」より 著者:吉川英治
木家の者に違いないのか」 「相違ございません。巻絹十|疋、砂金一|嚢、酒一|荷、大鯛一台などの品々を供に担わせて、そのお使者は、女輿を中門で降り、色代うやうやし....