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大鵬
「大鵬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大鵬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
び離れた事を云うと、すぐ冗談にしてしまう」
「燕雀《えんじゃく》焉《いずく》んぞ
大鵬《たいほう》の志《こころざし》を知らんやですね」と寒月君が恐れ入ると、独仙君....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
知れる――その頃は台湾の属官だったが、今じゃ同一所の税関長、稲坂と云う法学士で、
大鵬のような人物、ついて居た三人は下役だね。 後で聞きゃ、ある時も、結婚したて....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ともかく、私が日本を出発するときの気慨は大変なものでしたよ。白金巾の洋傘に、見よ
大鵬の志を、図南の翼を、などと書きましてね。それを振り翳したりなんかしましてね…....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
さについで、遼東還付の事あり。同五月末大元帥陛下|凱旋したまいて、戦争はさながら
大鵬の翼を収むるごとく※然としてやみぬ。 旅順に千々岩の骨を収め、片岡中将の危....
「映画の世界像」より 著者:寺田寅彦
まうのである。薄暮の縁側の端居に、たまたま眼前を過ぎる一匹の蚊が、大空を快翔する
大鵬と誤認されると同様な錯覚がはたらくのである。 いっそうおもしろいのは時間の....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
の火の玉である。 ヘルムホルツは薄暮に眼前を横ぎった羽虫を見て遠くの空をかける
大鵬《たいほう》と思い誤ったという経験をしるしており、また幼時遠方の寺院の塔の回....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
一点に漂っている。 何んとその鳥の大きいことよ! それは荘子の物語にある垂天の
大鵬と云ったところで大して誇張ではなさそうである。大鷲に比べて二十倍はあろうか。....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
た。
「卿等、碌々人に拠って事をなすの徒。燕雀《えんじゃく》、何《いずく》んぞ、
大鵬の志を知らんや、か――吾に、洛陽|負廓田《ふかくでん》二|頃《けい》有らしめ....
「国枝史郎氏の人物と作品」より 著者:小酒井不木
サンデー毎日の特別号などに発表された氏の作品にだんだん引きつけられたが、遂に、「
大鵬のゆくえ」を読むに至って、すっかり魅せられてしまい、国枝崇拝者の一人となった....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
驚くにあらざれば輾然としてその狂に近きを笑わん。鴻鵠の志は燕雀の知る所にあらず。
大鵬南を図って徒らに鷦鷯に笑われんのみ。余は遂に未遂の大望を他に漏らす能わざるな....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
ではない。こうして黙って坐っていても、おれには又おれの料簡がある。燕雀いずくんぞ
大鵬のこころざしを知らんと、昔の陳勝呉廣も云っているのだ。 柳 なんの、聴き取り....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
在にはうち渡るものは、ただこの鳥あるのみ。これ決して阿房にあらず。荘子のいわゆる
大鵬は、これを形容せしものならんと思わる。よって、余はこれを海王鳥と名づけんとす....
「三国志」より 著者:吉川英治
書状を書きかけた。 すると、逢紀という侍大将のひとりが、そっと、進言した。 「
大鵬は天地に縦横すべしです。なんで区々たる窮策を告げて、人の資などおたのみになる....
「三国志」より 著者:吉川英治
孔明は昂然と笑って、 「いや、あなた方のお眼に、そう映るのは無理もありません。
大鵬という鳥がある。よく万里を翔破します。しかし
大鵬の志は燕雀の知る限りではない....
「三国志」より 著者:吉川英治
かえると、敵の楊昂、楊任、楊平などの旗じるしが、攻め鼓に士気を振って、 「網中の
大鵬を逃がすな」と、麓の退路を断ちにかかった。 この日から次の日の戦争にかけて....