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「大黒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

大黒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
し》を買って来た事があった。それは兼ね兼ね彼が欲しがっていた、庇《ひさし》の長い大黒帽《だいこくぼう》だった。するとそれを見た姉のお絹《きぬ》が、来月は長唄のお....
老年」より 著者:芥川竜之介
老人である。十五の年から茶屋酒の味をおぼえて、二十五の前厄《まえやく》には、金瓶大黒《きんぺいだいこく》の若太夫と心中沙汰になった事もあると云うが、それから間も....
星座」より 著者:有島武郎
室にはいなかった。夕闇が処まだらに部屋の中には漂っていた。 三年近く被り慣れた大黒帽を被り、少しだぶだぶな焦茶色の出来合い外套《がいとう》を着こむともうするこ....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
がな、近所合壁《きんじょがっぺき》、親類中の評判で、平吉が許《とこ》へ行ったら、大黒柱より江戸絵を見い、という騒ぎで、来るほどに、集《たか》るほどに、丁《とん》....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
に、逸早くこの観念を受け入れ、その上に各自の人生観を築く。この観念は私達の道徳の大黒柱として認められる。愛他主義の倫理観が構成される。そして人間生活に於ける最も....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
ぱくやって居た。 へん、大袈裟な真似をしやがって、 と云う声がしたので、見ると大黒帽の上から三角布で頬被りをした男が、不平相にあたりを見廻して居たが、一人の巡....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
しています。 それから東京市の街燈を請負って、初めて設けたのは、例の吉原の金瓶大黒の松本でした。燈はランプで、底の方の拡がった葉鉄の四角なのでした。また今パー....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
を、われと慰むように、太い杖に片手づきしては、腰を休め休め近づいたのを、見ると、大黒頭巾に似た、饅頭形の黄なる帽子を頂き、袖なしの羽織を、ほかりと着込んで、腰に....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
このさきの立石在に、昔からの大庄屋が土台ごと売物に出しました、瓦ばかりも小千両、大黒柱が二抱え。平家ながら天井が、高い処に照々して間数十ばかりもござりますのを、....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
、叔父なり、師匠なり、恩人なりという、……私が稼業じゃ江戸で一番、日本中の家元の大黒柱と云う、少兀の苦い面した阿父がある。 いや、その顔色に似合わない、気さく....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
申して不思議にな、一つ色ではございません。稲荷様のは狐色と申すではないけれども、大黒天のは黒く立ちます……気がいたすのでございます。少し茶色のだの、薄黄色だの、....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
と、あんたの内のこの楓の樹が根こぎになって、どんぶりこと浮き出いてからに、宅の、大黒柱に突き当ったので、それがために動き出いて、とうとう流れたというもんじゃ。ハ....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
な推移は驚愕の外はない。瓦斯の入来したのは明治十三、四年の頃で、当時|吉原の金瓶大黒という女郎屋の主人が、東京のものを一手に引受けていた時があった。昔のものは花....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
観史はこの時に始まるようである。 湊川神社の近くに八千代座というのがあつた。(大黒座というのもあつたように思うがどうもはつきりしない。) やはり同じころ、親....
註文帳」より 著者:泉鏡花
背から苦もなくすらりと被せたので、洋服の上にこの広袖で、長火鉢の前に胡坐したが、大黒屋|惣六に肖て否なるもの、S. DAIKOKUYA という風情である。 「ど....