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大黒柱
「大黒柱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大黒柱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
がな、近所合壁《きんじょがっぺき》、親類中の評判で、平吉が許《とこ》へ行ったら、
大黒柱より江戸絵を見い、という騒ぎで、来るほどに、集《たか》るほどに、丁《とん》....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
に、逸早くこの観念を受け入れ、その上に各自の人生観を築く。この観念は私達の道徳の
大黒柱として認められる。愛他主義の倫理観が構成される。そして人間生活に於ける最も....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
り渋谷に至る両側に五十メートル幅で道を拡げるというが、それを今盛んにやっていて、
大黒柱に綱をつけ、隣組で引張って倒している。そして燃料がたくさん出来、手伝いに来....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
には、まるで目に見えぬ瘴気の湧きあがるように不吉な空気が追々色を深め、虫のついた
大黒柱のように家ぐるみひたむきに没落の道をたどっていたのだった。 もっとも赤沢....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
いのは糸より細いという沢市の身代よりも細いのから、うどん位のもの、太いのになると
大黒柱船のマスト位もあろうかという神経までもあるのです。これをわれわれは無神経と....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
いぞ、いいか。英雄は人類の中心点である、そうだ、中心点だ、車の軸だ、国家を支える
大黒柱だ、ギリシャの神話にアトラス山は天が墜ちるのを支えている山としてある。天が....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
このさきの立石在に、昔からの大庄屋が土台ごと売物に出しました、瓦ばかりも小千両、
大黒柱が二抱え。平家ながら天井が、高い処に照々して間数十ばかりもござりますのを、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、叔父なり、師匠なり、恩人なりという、……私が稼業じゃ江戸で一番、日本中の家元の
大黒柱と云う、少兀の苦い面した阿父がある。 いや、その顔色に似合わない、気さく....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
と、あんたの内のこの楓の樹が根こぎになって、どんぶりこと浮き出いてからに、宅の、
大黒柱に突き当ったので、それがために動き出いて、とうとう流れたというもんじゃ。ハ....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
うがっしりした湯の町があろうとは思わなかった。どの家も大きな真言の仏壇を据えて、
大黒柱をぴかぴかさせて居ようと謂った処である。湯を呑んだ味は、今まで多く歩いた諸....
「女難」より 著者:国木田独歩
いていたそうですが、それでも私の目には大変金持のように見えたのでございます。太い
大黒柱や、薄暗い米倉や、葛の這い上った練塀や、深い井戸が私には皆なありがたかった....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る。囲炉裏の間ともとは台所であったらしい部屋とのあいだには大きな柱が立っていて、
大黒柱と向い合いになっている。その柱をこの辺で、うし柱といっている。電燈はそのう....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
★ カメの女房はひどく膏をしぼられて、亭主というものは一家の
大黒柱である。お前も亭主のオカゲで生きていけるんじゃないか。コクツブシとは、お前....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
です。門灯の下で車夫は汗を拭き拭き笑っています。お兄様は、玄関の太い黒光りのする
大黒柱に倚りかかって、肋骨の附いた軍服のまま、奥へも行かずに立っていられます。 ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
い百姓|家にしてもその茅屋根の勾配といい、張り出しの廂といい、土間といい、煤びた
大黒柱といい、外庭といい、いかにも日本固有の雅味がある。 それにしても、この原....