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大黒頭巾
「大黒頭巾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大黒頭巾の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千鳥」より 著者:鈴木三重吉
門口へ転がしたまま、黒燻りの竈の前に踞んで煙草を喫んでいる。破れた唐紙の陰には、
大黒頭巾を着た爺さんが、火鉢を抱えこんで、人形のように坐っている。真っ白い長い顎....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
を、われと慰むように、太い杖に片手づきしては、腰を休め休め近づいたのを、見ると、
大黒頭巾に似た、饅頭形の黄なる帽子を頂き、袖なしの羽織を、ほかりと着込んで、腰に....
「藪の鶯」より 著者:三宅花圃
二三人の少年。一人は白き帆木綿《ほもめん》のかばんをこわきにかい込み。毛糸織りの
大黒頭巾《だいこくずきん》を戴《いただ》きたる。身柄いやしとはみえねど。他の二人....
「迷信解」より 著者:井上円了
のとき酒酔いの上に、その辺りに狐狸の出ずるならんかとしきりに左右を見回すうちに、
大黒頭巾が両眼を隠せるを知らざりしより起こったのじゃ。かかる話は誤怪と申すもので....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
《しょさごと》の図あり。扇地紙《おうぎじがみ》の襖《ふすま》を後《うしろ》にして
大黒頭巾《だいこくずきん》を冠《かぶ》り荒き縞《しま》の袴《はかま》はきたる座頭....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
まい。 然らば当今の女子、その身には窓掛に見るような染模様の羽織を引掛け、髪は
大黒頭巾《だいとくずきん》を冠《かぶ》ったような耳隠しの束髪に結《ゆ》い、手には....