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大鼓
「大鼓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
大鼓の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
ので、芯の加減|捻子がある部分にそれがなく、そこが普通型のものより遙かに大きく小
大鼓形をしている。そして、鎧扉式に十数条の縦窓が開くようになっていて、そこから外....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
盛掛が十六文するとき、一板二分二朱であった。 朝餉の畢る比には、藩邸で巳の刻の
大鼓が鳴る。名高い津軽屋敷の櫓
大鼓である。かつて江戸町奉行がこれを撃つことを禁ぜ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
御能組(第一日) ◇翁 (シテ)梅津利彦 (三番叟)高原神留 (千歳)生熊生 (
大鼓)高畠元永 (小鼓頭取)栗原伊平 (脇鼓)本松卯七郎、石橋英七 (笛)中上正....
「能とは何か」より 著者:夢野久作
う。殊にそんな婦人の中でも、日本人の男性でも掌の痛さと、気合いの烈しさに辟易する
大鼓を引き受けている人が居ると聞くに到っては、感心を通り越して瞠若の到りである。....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
れしそうに歩いているわね。お祭りじゃないんですよ。子供じゃあるまいし、こんな赤い
大鼓をかついでお宮まいりだなんて、板倉様も意地が悪い。もうもう、あたしは、人の世....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
であるのを嘆いたが、いま花やかなる踊り場の中にあって、調子の整った三味の音、鼓、
大鼓、笛の響きを聞いたとき、ほんとにそうだとつくづく思った。居合わすものはS君と....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
である。 舞いも舞うた、謡いも謡う。はた雪叟が自得の秘曲に、桑名の海も、トトと
大鼓の拍子を添え、川浪近くタタと鳴って、太鼓の響に汀を打てば、多度山の霜の頂、月....
「細木香以」より 著者:森鴎外
して遣って孔明祭を修せしめた。今の富豪が乃木祭を行う類である。それからは有中に陣
大鼓の綽号が附けられた。 香以はこの年三十七歳であった。恐らくはその盛名の絶頂....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
イシンホニイのコンダクターにもなった。ジングルベルを、タンバリンやカスタネットや
大鼓やトライアングルで合奏した。白いタフタアの洋服の上に、その時は黒いベルベット....
「地上」より 著者:島田清次郎
、二つの音調は急流のように争いつつ、いつしか渾一に融合するうちに、いつともしれず
大鼓の海鳴りの音が新しい根拠をもって轟いて来た。三味の音は次第に弱められてしまっ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ファウスト
いや。成功しようと云うには、正直に遣らなくてはいかん。
鐘
大鼓で叩き立てる馬鹿者になってはいかん。
智慧があって、切実な議論をするのなら、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
に、三年余りになる」 武蔵は、城太郎の年を、心のなかで数えてみた。 神楽殿の
大鼓が、その時、急に高く鳴り出した。武蔵が、われにかえると、 「ア。もう舞ってる....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
とか、日蓮宗に団扇太鼓を打って題目を唱えるについては、戦法において鐘は退くの器、
大鼓は進むの器なるが故に、父団五郎がみずからお手のものの太鼓を張って、これを日蓮....