天を焦がす[語句情報] » 天を焦がす

「天を焦がす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天を焦がすの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
パリの地下牢」より 著者:野上豊一郎
夜はバスティーユ広場の記念塔の上でさながら一七八九年七月十二日の夜の光景の如く、天を焦がす赤い火が燃やされ、花火が打ち揚げられるのを見ても、さまざまの当時の歴史....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
如何にも念入であった。師団司令部の将校等の立っている向うの方に、火災の煙が上って天を焦がすところで、その煙がむくむく動くように見えていたものである。 このパノ....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
年九月一日の夜、大震災の火の手はいよいよ逞しく、東京の下町を殆ど焼き尽くしたが、天を焦がす猛火の反映が、燃ゆる雲となってむらがり立ち、関東平野の西北端にある赤城....
三国志」より 著者:吉川英治
適材を配することはできません」 云い終ると、孔明は、やがて下流のほうに、火焔が天を焦がすのも間近であろうと、玄徳を促して、樊口の山頂へ登って行った。 東南風....
三国志」より 著者:吉川英治
け下ってきた。右の峰からも、さらに後ろのほうからも、火光はここに集まって、やがて天を焦がすばかりの火となった。 「呉兵だ」 「伏兵だぞ」 すでに矢風は急雨のご....
私本太平記」より 著者:吉川英治
がふえていた。火の線は長楽寺、双林寺、阿弥陀ヶ峰の端までつらなり、四月に入ると、天を焦がすばかりになった。すべて近江から潜入した義詮の軍だった。 こうして、わ....