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天上天下
「天上天下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天上天下の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
、まりやと云う名を与えていた。おぎんは釈迦が生まれた時、天と地とを指しながら、「
天上天下《てんじょうてんげ》唯我独尊《ゆいがどくそん》」と獅子吼《ししく》した事....
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
と》に送り届け給えと、男心得たりと腰に帯びたる長き剣《つるぎ》に盟《ちか》えば、
天上天下に吾志を妨ぐるものなく、遂《つい》に仙姫《せんき》の援《たすけ》を得て悉....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
頭にのせたまゝ、四体は水の滴るゝまゝに下駄をはいて、今母の胎内を出た様に真裸で、
天上天下唯我独尊と云う様な大踏歩して庭を歩いて帰る。帰って縁に上って、手拭で悉皆....
「旅愁」より 著者:横光利一
的にどうなって見たところで、結局は同一性という主観的なものからは脱けられないよ。
天上天下唯我独尊に落ちつくこと、そこが人間知識の相場市場だ。」そう云って東野は少....
「夜の靴」より 著者:横光利一
もまた同様だ。小空、中空、大空、空空、無空、というような言葉は、徹底するとついに
天上天下唯我独存、(尊ではない)存すというところに落ちつくのも、菅井和尚の釈迦堂....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
度問題ですよ。だが、こうして、どこを雪が降るといった気分で、温泉につかっていると
天上天下の太平楽です、一句浮びませんか」 「さよう――」 「古人の句で、こういっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
す》き、これも単純にして深刻なる本能の発動に過ぎないのであります。 しかし――
天上天下一切万象が、皆この単純なる本能によって支持されている。 お雪ちゃんも語....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
り貴いことだから。抒情的に云えば、わたしのこころに鳴るほめ歌の物語ですが、それは
天上天下にひろがっていて、最も骨格的なものに通じるのよ(ブランカ流にしろ)ですか....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
おお、アリョーシャ、僕はけっして神を誹謗《ひぼう》するわけではないよ! もしも、
天上天下のものがことごとく一つの賛美の声となって、生きとし生けるものと、かつて生....
「四十八人目」より 著者:森田草平
こうなればもう行く必要もなし、また事実行かれもしなかった。彼の行かれる所とては、
天上天下、ただおしおの家だけであった。 彼は途を歩きながらも、「何のためにあの....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
なきを憂えんやというような訳で、これが無銭で大旅行を決心した理由であります。殊に
天上天下唯我独尊の釈迦牟尼|如来が至尊の王位と金殿玉楼すなわち天下の富貴を捨てて....
「西航日録」より 著者:井上円了
み、またさらに歌および詩をつづりてその形状を述ぶ。 喜麻拉亜の景色如何と人問はゞ
天上天下唯我独尊 岳勢巍巍圧四陬、摩天積雪幾千秋、人間一接斯光景、豪気将呑五大洲....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、甘茶を浴びて、こうしている――」 と、沢庵は、真面目くさって、両足をそろえ、
天上天下へ指をさして、お釈迦さまの真似をした。 「――
天上天下|唯我独尊」 い....