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「天上界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天上界の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
悟浄歎異」より 著者:中島敦
《さわ》がし、その罰として閉じ込められた八卦炉《はっけろ》をも打破って飛出すや、天上界も狭しとばかり荒れ狂うた。群がる天兵を打倒し薙《な》ぎ倒し、三十六員の雷将....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
顔と、無辺際《むへんざい》に浮き出す薄き雲の※然《ゆうぜん》と消えて入る大いなる天上界《てんじょうかい》の間には、一塵の眼を遮《さえ》ぎるものもない。反吐は地面....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
「しかし、奇蹟がお出来になる」 「登天されたのではあるまいか。下界を去られて、天上界へ……」 「私は信仰を失いそうだ」 「私は教団を出ようかしら」 「苦行する....
春昼」より 著者:泉鏡花
見つかりましたね。」 「それは見ることは誰にでも出来ます。美しいと申して、竜宮や天上界へ参らねば見られないのではござらんで、」 「じゃ現在いるんですね。」 「お....
悟浄出世」より 著者:中島敦
らず、あらゆる生きものはすべて何かの生まれかわりと信じられておった。悟浄がかつて天上界《てんじょうかい》で霊霄殿《りょうしょうでん》の捲簾《けんれん》大将を勤め....
文芸時評」より 著者:宮本百合子
性は全然把握できなかった。今は更に進んで「抒情歌」によってとうとう現世をすて霊の天上界へまで逃げのびてしまった。 ブルジョア文学のファッシズムへの道は、群司次....
認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
るなら、之は要するに観念論の一種である処の、神的(神学的)真理――地上と独立した天上界の論理・解釈哲学――のことでしかない。宗教的真理という何か特別なものがある....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れども、その演芸のことは一々ここへ書き立てない方がよかろうと思う。その時分の人を天上界の夢の国へ持って行くほどに、恍然魅了《こうぜんみりょう》した異国情調を細か....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
んじ》の遷化《せんげ》なさる時の鈴の音に合せた秘曲なんでございます、人間界から、天上界に上って行く時の音が、あれなんだそうでございます。わたくしはその方がお吹き....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
とても落着いた心持になれなかったのではあるまいか。そういう時に彼は音楽の醸し出す天上界の雰囲気に包まれて、それで始めて心の集中を得たのではあるまいか。 これは....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
もかも言ってしまうつもりなんだよ。どうせ誰かには話さなきゃならないんだからなあ。天上界の天使にはもう話したが、地上の天使にも話さなきゃならない。おまえは地上の天....
紫大納言」より 著者:坂口安吾
ます。恋のやみじに惑いもすれば、いとしい人に拗ねてもみる。聞き及んだところでは、天上界はあなたのような乙女ばかりで男のいない処だとか、はてさて、それでは、あやが....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
、このような※たけた面ざしは描き得なかったであろう。地上のものではなく、まさに、天上界に属すべき美であった。 竜太郎は、ほのかな星の光の下で、このようなたぐい....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
つは飛び離れて大胆です。 もう大抵月宮の近所まであなたは升ったのですが、 やはり天上界へ気が引かれているのでしょう。 ファウスト 大違だ。この地球上に ....
めくら星」より 著者:小川未明
の星は、めくら星でありました。ほかのお星さまのように、遠く、高く、地から離れて、天上界に住むことができないのであります。毎夜、森や、林や、野の上近くさまよって、....