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「天下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
手紙によると、二十一の年に聾《つんぼ》になって以来、二十四の今日まで文筆をもって天下に知られたいという決心で、もっぱら読本《よみほん》の著作に精を出した。八犬伝....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ごだいがわ》りがしたと云う気が、――それも御屋形《おやかた》の中ばかりでなく、一天下《いってんか》にさす日影が、急に南から北へふり変ったような、慌《あわただ》し....
河童」より 著者:芥川竜之介
す。ゲエルはふだんよりも得意そうに顔中に微笑をみなぎらせたまま、ちょうどそのころ天下を取っていた Quorax 党内閣のことなどを話しました。クオラックスという....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
は見渡す限り、茫々とした月夜《つきよ》の水ばかりだ。その時の寂しさは話した所が、天下にわかるものは一人もあるまい。 「それ以来僕の心の中《うち》では、始終あの女....
煙管」より 著者:芥川竜之介
く》の意も籠《こも》っている。煩雑な典故《てんこ》を尚《とうと》んだ、殿中では、天下の侯伯も、お坊主の指導に従わなければならない。斉広には一方にそう云う弱みがあ....
古千屋」より 著者:芥川竜之介
《えんしゅう》横須賀《よこすか》の徒士《かち》のものだった塙団右衛門直之はいつか天下に名を知られた物師《ものし》の一人に数えられていた。のみならず家康の妾《しょ....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
りやと云う名を与えていた。おぎんは釈迦が生まれた時、天と地とを指しながら、「天上天下《てんじょうてんげ》唯我独尊《ゆいがどくそん》」と獅子吼《ししく》した事など....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
やや》ちがった意味で、今度は背盟の徒が蒙った影響を、伝右衛門によって代表された、天下の公論の中に看取した。彼が苦い顔をしたのも、決して偶然ではない。 しかし、....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
盛の屍体《したい》は確かにあったのでしょう。そうすると――」 「似ている人間は、天下にいくらもいます。右腕《みぎうで》に古い刀創《かたなきず》があるとか何とか云....
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
ある。それを気の毒に思いなどするのは、婦女童幼のセンティメンタリズムに過ぎない。天下は蟹の死を是《ぜ》なりとした。現に死刑の行われた夜《よ》、判事、検事、弁護士....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
のためと解釈するのよりも容易だったのに違いない。難を去って易《い》につくのは常に天下の公道である。この公道を代表する「順天時報」の主筆|牟多口氏《むだぐちし》は....
兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
に自分の問題を考えて貰った。それ程自分に兄貴らしい心もちを起させる人間は、今の所天下に菊池寛の外は一人もいない。 まだ外に書きたい問題もあるが、菊池の芸術に関....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
しても、大きい情熱に溢れていた事は、我々友人の間にさえ打ち消し難い事実である。(天下に作家仲間の友人程、手厳しい鑑賞家が見出されるであろうか?)この事実の存する....
久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
亦何すれぞ首肯を強いんや。 因に云う。小説家久保田万太郎君の俳人傘雨宗匠たるは天下の周知する所なり。僕、曩日久保田君に「うすうすと曇りそめけり星月夜」の句を示....
良夜」より 著者:饗庭篁村
せしが教師の教うるところ低くして予が心に満足せず。八大家文を読み論語をさえ講義し天下を経綸せんとする者が、オメオメと猿が手を持つ蟻が臑を持つの風船に乗って旅しつ....