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天下晴れて
「天下晴れて〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
天下晴れての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
戸構え、ちゃんとした商売をするようになれば、柳吉の父親もえらい女だと褒めてくれ、
天下晴れての夫婦《めおと》になれるだろうとはげみを出した。その父親はもう十年以上....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の九郎兵衛様があとのひとりをせきたてなさいましたゆえ、はよう金を手に入れまして、
天下晴れてのめおととなりたいばっかりに、つい手荒なまねをいたしましたのが運のつき....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
つづけている若夫婦にいってやりました。 「もうそのほうたちも、今宵《こよい》から
天下晴れて、女は女、男は男の勤めができるから、お湯なども人にかくれてはいるには及....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
がしら》の発する制止の声です。――ついでだから申し添えておきますが、道中しながら
天下晴れてこの寄れッ寄れッが掛けられたものは、紀、尾、水のご三家にかぎったものだ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りました。奥さま、かさを! かさを! おかさを忘れちゃいけませんよ。もう今夜から
天下晴れてのご夫婦ですもの、なかよく相合いがさでいらっしゃいまし……」 お供の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
から、そんな詮議をしてもいられません。明治になったのは二人の仕合わせで、どこにか
天下晴れて暮らしているでしょう。世の中が変ると、思いも寄らない得《とく》をするも....
「わが町」より 著者:織田作之助
戸構え、ちゃんとした商売をするようになれば、柳吉の父親もえらい女だと褒めてくれ、
天下晴れて夫婦になれるだろうとはげみを出した。その父親はもう十年以上も中風で寝て....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
より来るに遭うた。相見て一笑し、氏に導かれて茶店に入った。あああ、これで久しぶり
天下晴れて話ができる。 間もなく杉村縦横君が自転車を走らせて来てくれた。つづい....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
皮づつみに、せせり残しの、醤油かすを指のさきで嘗めながら、まわしのみの煽っきり。
天下晴れて、財布の紐を外すやら、胴巻を解くやらして、賭博をはじめますと、お船頭が....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
の字が現われて来るのなら彼女は宜いと思う。芝居の仕草や、浄瑠璃のリズムに伴い、「
天下晴れての夫婦」などと若い水々しい男女の恋愛の結末の一場面のくぐりの性欲の匂い....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
にいたから。 さりながら、さりながら、 「立花さん、これが貴下の望じゃないの、
天下晴れて私とこの四阿で、あの時分九時半から毎晩のように遊びましたね。その通りに....
「握った手」より 著者:坂口安吾
かるに娘がその手をきつく握り返したから、軽犯罪法のお世話に相成るべき不審の挙動が
天下晴れての快挙と相成り、福は禍の門と云うが如くに禍根を残すこととなった。 松....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
きたが、珍しく二十日のうちに五ツほどの仕事がキチンと片づいて、あと三日間ぐらいは
天下晴れて遊べることゝなった。よってジャンパーにりりしく身をかためて出陣に及んだ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
り処理したものだろう。憎いヒサを片づけ、あつらえむきに中橋の始末もつけて、これで
天下晴れて荒巻と添いとげたい夢之助の方寸だろうが、中橋がヒサの母に夢之助の妾宅へ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
け出してお謝罪をしろと、居丈高に詰寄れば、「こりゃ可笑い、お政府に税を差上げて、
天下晴れての宿屋なら、他人の妻でも妾でも、泊めてはならぬ道理は無い。それとも其方....