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「天丼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天丼の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
るものなど一切、いつでも、近所の店から所謂「ツケ」で求められたし、堀木におそばか天丼などをごちそうしても、父のひいきの町内の店だったら、自分は黙ってその店を出て....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
警 新宿に行って何処で昼食を食べたか。 答 新宿二丁目の或そばやで二十銭の天丼を食べたと申立てゝあります。 現にそんなそばやはありません。神楽坂署より直....
正義と微笑」より 著者:太宰治
と、控室には一列に食卓が並べられていて、受験生たちはぼつぼつ食事をはじめていた。天丼である。おそばやの小僧さんのようなひとが二人、れいの番頭さんに指図されて、あ....
縮図」より 著者:徳田秋声
銀子はというと、彼女は若林の財布を預かり、三十円五十円と金の出し入れを委せられ、天丼や鰻丼が来れば、お茶を入れるくらいで、じっと傍で見物しているのだったが、時に....
S岬西洋婦人絞殺事件」より 著者:夢野久作
まれて逮捕されたものであった。 その時の自白によると音吉は、R市の某|饂飩屋で天丼を喰っているうちに、嘗てマリイ夫人を見に行った事のある中学生連中の雑談から、....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
、でんがく、にゅうめん、冷そうめん、茶碗蒸し、小田巻むし、鰻蒲焼、海老|鬼殻焼、天丼、親子丼、海苔佃煮、寄せ鍋、鯛ちり、牛鍋、かきどふ鍋、鳥鍋、鴨鍋、御寿司、御....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、蛙をとりに書生さんは出せないから、では菊そばへ、というわけで、やっとあやし気な天丼にありつきました。一円の天丼がいかの足を細切れにしたもの一つ位がのって居ます....
松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
で床を見詰めていたばかりでなく、その日は口数も多くきかなかった。夕食に楽屋一同へ天丼《てんどん》の使いものがあったが、須磨子の好きな物なのにほしくないからとて手....
大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
痩せた青年が、飯を食っているところを目撃した。 彼はまず、カレーライスを食い、天丼を食べた。そして、一寸考えて、オムライスを注文した。 やがて、それを平げる....
キド効果」より 著者:海野十三
奮に神経を焦がしている。腹が減ってくると、食慾が起り、牛肉のスキ焼が喰べたいとか天丼をムシャムシャやりたいとか興奮してくる。夜となれば昼間の精神的刺戟が滓の如く....
丸の内」より 著者:高浜虚子
る店がある。之は浅草の仲見世の売店の下等のようなものである。洋品店、床屋、鮓店、天丼店、そば屋などが十四軒並んでいる。喫茶店と書籍店とが同居しているのもある。 ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
め、 「こりゃお前さん、お銭にするね。」 「え、」 「旨く手繰って聞き出したら、天丼でも御馳走になるんだろう。厭だよ、どこの誰に憚って秘すッということはないけれ....
下司味礼賛」より 著者:古川緑波
なもんに違いないさ。 然し、そういう、一流の上品な味よりも、天ぷらを食うなら、天丼が一番|美味《うま》い。と言ったら、驚かれるだろうか。抑々《そもそも》、天ぷ....