天使[語句情報] » 天使

「天使〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天使の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
サン・ミグエルが地獄の悪魔と、モオゼの屍骸《しがい》を争っていた。が、勇ましい大天使は勿論、吼《たけ》り立った悪魔さえも、今夜は朧《おぼろ》げな光の加減か、妙に....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
ましょう。何卒《なにとぞ》私が目をつぶりますまででよろしゅうございますから、死の天使《アンジョ》の御剣《おんつるぎ》が茂作の体に触れませんよう、御慈悲を御垂れ下....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
を加えられたらしい。長崎《ながさき》あたりの村々には、時々日の暮の光と一しょに、天使や聖徒の見舞う事があった。現にあのさん・じょあん・ばちすたさえ、一度などは浦....
おしの」より 著者:芥川竜之介
ばかりです。そのほかに神はありません。あると思うのは悪魔です。堕落《だらく》した天使の変化《へんげ》です。ジェズスは我々を救うために、磔木《はりき》にさえおん身....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
極楽世界を諸天の上に作り玉う。その始《はじめ》人間よりも前に、安助《あんじょ》(天使)とて無量無数の天人《てんにん》を造り、いまだ尊体を顕し玉わず。上一人《かみ....
少年」より 著者:芥川竜之介
この宣教師に軽い敵意を感じたまま、ぼんやり空想に耽《ふけ》り出した。――大勢の小天使は宣教師のまわりに読書の平安を護《まも》っている。勿論《もちろん》異教徒たる....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
しょうか? え、主計官。」 保吉の信ずるところによれば、そう云った時の彼の声は天使よりも優しいくらいだった。 西洋人 この学校へは西洋人が二人....
或る女」より 著者:有島武郎
何の信仰! 何の希望! 木村は葉子が据《す》えた道を――行きどまりの袋小路を――天使の昇《のぼ》り降りする雲の梯《かけはし》のように思っている。あゝ何の信仰! ....
或る女」より 著者:有島武郎
と葉子は泣きながら取りすがるようにした。 「わかります。……あなたは堕落した天使のような方です。御免ください。船の中で始めてお目にかかってからわたし、ちっと....
星座」より 著者:有島武郎
もマルタの方によけい頭が下げたいぐらいだったから。東京の女は俺の眼から見ると皆な天使のようだぞ。 「俺の部屋は四畳半で二階の西角だ。東隣りは大きな部屋だが畳を上....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
勿論不完全だということが出来るだろう。成程私は悪魔のように恥知らずではないが、又天使のように清浄でもない。私は人間のように人間的だ。私の今のこの瞬間の誇りは、全....
クララの出家」より 著者:有島武郎
と間近かにアグネスの眠った顔があった。クララを姉とも親とも慕う無邪気な、素直な、天使のように浄らかなアグネス。クララがこの二、三日ややともすると眼に涙をためてい....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しく申上げますが、兎に角新たに幽界に入ったもので、斯う言った神の神使、西洋で申す天使のお世話に預からないものは一人もございませんので……。 幽界で眼を覚ました....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
、咫尺を弁ぜぬ心の闇、すべてはただ人肉のうめきと、争いとであった。さすがに霊界の天使達も、一時手を降すの術なく、覚えず眼を掩いて、この醜怪なる鬼畜の舞踊から遠ざ....
狂人日記」より 著者:秋田滋
一月二十五日―― 死刑、死刑、死刑。私は彼に死刑を宣告した。ああ。検事補は天使のように滔々と所信を述べた。ああ。また一人。私は刑の執行を見に行こう。 三....