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「天城山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天城山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
追憶」より 著者:芥川竜之介
と大人同士の社会主義論をしたのはこの時だけである。(彼はそれから何か月もたたずに天城山の雪中に凍死してしまった)しかし僕は社会主義論よりも彼の獄中生活などに興味....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、土から求めてかからなければなりませんでした。 江川はようやくにしてその土を、天城山《あまぎさん》の麓と韮山附近の山田山というところから探し出して、煉瓦を作り....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
が、今の雨ですっきりと洗われて、鮮やかな緑※色をしている、愛鷹を超えて伊豆半島の天城山が、根のない霞のように、ホンノリと浮いて、それよりも嬉しかったのは、駿河湾....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
名ある火山に甚だ多く(もちろん火山以外にも、少ないとはいわぬ)、近いところでは、天城山、八ヶ岳にも繁茂しているし、加賀の白山にも多いところから、白山石楠花とも呼....
地図をながめて」より 著者:寺田寅彦
っていなければならない。関東震災後の復旧測量では毛無山頂上で二十八日間がんばって天城山の頭を出すのを今か今かと待っていた人がある。古いレコードでは七十日というの....
山峡新春」より 著者:宮本百合子
治など書いてある。その、炭焼きか山番かであろう男が一人いる処は、向う山か、遙かな天城山の奥か。 或る角で振返ったら、いつか背後に眺望が展け、連山の彼方に富士が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
すから、或いはオホツク海あたりから来た大鷲《おおわし》が、浦賀海峡を股にかけて、天城山《あまぎさん》へでも羽をのばしたかも知れません。 見ているうちに、その姿....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ゃあるまいし、碌な娘ではないのだろう。」 「勿体ない。――香都良川には月がある、天城山には雪が降る、井菊の霞に花が咲く、と土地ではやしましたほどのお嬢さんでござ....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
追わせる一方、自らはザンブと海中にとびこみ、約一里の海を泳いで今井の浜にあがり、天城山麓をヒタ走りに走って、急を伊東海岸につたえた。伊東の町が時ならぬアジの大漁....
女心の強ければ」より 著者:豊島与志雄
小鳥が少し囀ずり、蝉が少し鳴き、淋しいくらいの静けさだ。 二階の縁側から、天城山が正面に見える。 西空から差し出てきた積乱雲が、むくむくと脹れ上り、渦巻....
早春」より 著者:豊島与志雄
すると、あとから貞夫がやって来た。貞夫は馬が好きで、近くに乗馬を一頭見つけだし、天城山麓を乗り廻した。或る日、その馬が狂奔した。低空を飛んでた飛行機に驚いたのか....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
奥へ行く人もある。風船バクダンの博士は、はるか伊豆南端まで南下し、再び北上して、天城山麓の海を見おろす松林の絶勝の地で心中していた。風船バクダン博士という肩書に....
たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
猪の産地で、ここの猪は味において国内随一であるときいていた。これにつぐのが伊豆の天城山、丹波の雲ヶ畑、日向の霧島山あたりで猟れるものであるそうだが、紀州の猪が最....
食道楽」より 著者:村井弦斎
じように開かないのが上等だ。これを料理して食べると実に美味《うま》いぜ。それから天城山《あまぎざん》の山葵《わさび》も買って来た。山葵は天城《あまぎ》が第一等だ....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
いっております。そうして姉様よりも更に美しかったので、顔を見合せるのが厭で、間に天城山を屏風のようにお立てになった。それだから奥伊豆はどこからも富士山が見えず、....