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「天守台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

天守台の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雪の白峰」より 著者:小島烏水
ふる》いられ申候、昨夜は明月凄じきばかりなりしに、九時頃より一人、後《うしろ》の天守台に上り、夜霧の彼方に朧ろなる彼《か》の白色魔を眺め、気のまよいか、白鳥のあ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
総出の姿で、門並《かどなみ》に立って見物するのであります。 なるほど、御本丸の天守台の上で、紅い提灯がクルクルと廻っています。お松もやはり、その提灯が何者であ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、しかも、その祖父というのは元来、何事につけても身の軽いのが自慢だったそうで……天守台の屋根に漆喰のかけ直しをする時なぞは、殿様が遠眼鏡で、その離れ業を御上覧に....
あひると猿」より 著者:寺田寅彦
てあたかも古人の遺跡のように仕立ててあるのもやはりちょっと珍しいような気がする。天守台跡に上っているとどこかでからすの鳴いているのが「アベバ、アベバ」と聞こえる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
えている。濠を廻って二人の若い女は大手の門の前へ立ちました。 ここへ来ると、お天守台も御櫓も前に見えなかったのが、よく見えます。 お城の大手の濠の前に立って....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
小天守――それは土台の根敷東西十七間、幅十二間四尺、高さ約四間三尺の上に、二層の天守台が置いてある。これぞ、御天守に登る第一の関門であるから、出入りの禁容易なら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に至って――この城を名古屋に移すまでの治乱興廃を考え、従って五条川がここを流れ、天守台はあの辺でなければならぬ、斯波《しば》氏のいたのをこの辺とすれば御薗は当然....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
めないうちから、急に支配以下が働き出した理由なのであります。 御本丸から始めて天守台、櫓々、曲輪曲輪《くるわくるわ》、門々、御米蔵、役所、お目付小屋、徽典館《....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
、ケイリンをここへ持って来た市当局者のあたまも決してばかにはできない。 塩蔵、天守台の跡へ登ってゆく。けたたましい耳もとのサイレンにびっくりしていると、眼の下....
黒田如水」より 著者:吉川英治
「この通りに、夜も日も、総力で急がせておりますれば」 と、いうしかなかった。天守台の七重櫓が総体の中心であるだけに、ここの工事は最も慎重でなければならず、ま....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
い偃松の中を旨く切明けを見付けて通り抜ける、横に楔形をして雪田の端が右手の山腹に天守台の石垣のような断崖を削り出す、厚い所は、三、四丈もあろうと思われる。其下の....